WRC:15年続いた”セバスチャン時代”が遂に終焉…オット・タナックが2019年王者に輝く

オット・タナクのチャンピオン獲得を喜ぶTOYOTA GAZOO Racing、WRC第13戦スペインにてcopyright TOYOTA MOTOR CORPORATION

2019年FIA世界ラリー選手権(WRC)第13戦ラリー・スペインの最終日デイ3が、10月27日(日)にスペイン北東部のサロウで行われ、ヤリスWRC 8号車を駆るTOYOTA GAZOO Racingのオット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組が総合2位でフィニッシュ。ドライバーズおよびコ・ドライバーズ・タイトルを獲得した。

デイ2で総合3位につけたタナックは、最終SSのパワーステージでベストタイムを記録。後続に3.6秒差をつける圧巻の走りで総合2位に浮上すると共に、ボーナスの5ポイントを獲得して、最終戦ラリー・オーストラリアを待たずしてドライバーズタイトルを確定させた。


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タナックとヤルヴェオヤにとっては初のWRCタイトル。エストニア人初のWRCチャンピオンが誕生した。WRCは2004年から2012年にかけてセバスチャン・ローブが、そして2013年から2018年にかけてはセバスチャン・オジエがタイトルを独占。15年に渡る”セバスチャン”独裁時代が遂に終焉を迎えた。

「この感情を言葉にするのは簡単じゃない」とタナック。「今週末のプレッシャーは、これまでとは違うレベルのものだった。世界チャンピオンは僕の人生の目標だった。ついにタイトルを獲得できて本当に嬉しい。素晴らしい仕事で僕らを支えてくれたチームに感謝している」

「歴史的な快挙だ。我々のチームから新たなる世界チャンピオンが誕生した」とトミ・マキネン代表は語る。トヨタドライバーが世界王者となるのは1994年以来、通算5回目。タナックは、カルロス・サインツ、ユハ・カンクネン、ディディエ・オリオールに続く4人目のトヨタ王者として歴史に名を刻んだ。

「今週末のオットには大きなプレッシャーがかかっていた。それがどれほど凄まじいか、似た経験をもつ私には分かるが、一般的にはなかなか理解されないものだ。タイトル獲得のために、オットがパワーステージで見せた走りは本当に素晴らしかった」

豊田章男チーム総代表は、チャンピオンを獲得した2人を祝福。「オィット、マルティン、3週間後にマニュファクチャラーチャンピオンも獲って、もう一度、君たちと一緒に喜びたいと思ってます。そして、エストニアの皆さんにも感謝の気持ちを一緒にもう一度伝えよう。オーストラリアも絶対に勝とう!」と呼びかけた。


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ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)が総合5位で完走を果たし、トヨタは、マニュファクチャラーズタイトル防衛の望みを最終戦ラリー・オーストラリアに繋いだ。なお、今回がヤリスWRCでの2度目のWRC出場となる、勝田貴元/ダニエル・バリット組は、デイ2のメカニカルトラブルにより最終結果は総合39位に留まったものの、結果以上に充実した内容のチャレンジとなった。

シーズン最終戦ラリー・オーストラリアは、11月14日(木)から17日(日)にかけて、オーストラリア東海岸のコフスハーバーを中心に開催される。


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