クソ迷惑極まりない、と激怒のニキータ・マゼピン…何故ライコネンはピットレーンでハースに衝突したのか?
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ハースF1チームのニキータ・マゼピンはピットレーンでのキミ・ライコネン(アルファロメオ)との接触によりF1第11戦ハンガリーGPをリタイヤで終えて、放送禁止用語を交えて「クソ迷惑極まりない」と激怒した。
マゼピンはオープニングラップの混乱でパンクに見舞われ1周目の終わりにピットイン。赤旗中断を経て再開された4周目のリスタートの際には、スリックタイヤに履き替えるべく、ライコネンを含めた13台と共にグリッドではなくピットに向かった。
一方のライコネンは今季最高となる13番グリッドからスタート。ランス・ストロール(アストンマーチン)とバルテリ・ボッタス(メルセデス)のミスによる大惨事の1周目を終えて、赤旗の時点で9番手に浮上した。
不幸な接触事故はこの際に発生した。
マゼピンがピットボックスに向かおうとしたところ、タイヤ交換を終えたライコネンがマゼピンの目の前に表れ、ロシア人ドライバー駆るVF-21の右フロントサスペンションは修復不可能なダメージを負った。スチュワードはライコネンに10秒ペナルティを科した。
LAP 6/70
Nikita Mazepin joins the list of DNFs after colliding with Kimi Raikkonen in the pit lane 💥#HungarianGP 🇭🇺 #F1 pic.twitter.com/7lEWIhycuf
— Formula 1 (@F1) August 1, 2021
最終的に10位フィニッシュしたライコネンはレース後、ピットレーンでのインシデントを次のように説明した。
「残念なことにチームが僕をリリースした直後にぶつかってしまった。ペナルティが科せられるであろう事は十分に分かっていた」
「誤ってリリースすればそうなるものだからね。あの時点で僕らのレースは終わってしまった。大量のポイントのチャンスがあったのに、僕らは明らかにそれを逃してしまった」
アルファロメオのトラックサイド・エンジニアリング部門を率いるゼビ・プジョラールによると、アンセーフリリースの原因はシステムの故障にあったようだ。
タイヤ交換を終えた直後、赤色だったライトが緑色に変わった瞬間にライコネンは発進したものの、その後すぐに赤色に変わり再び緑になって赤に戻るという混乱があったという。
チームメイトのアントニオ・ジョビナッツィ側にもミスがあった。スリックタイヤへの交換の際にピットレーンの速度違反を犯し、10秒のストップ&ゴーペナルティが科された。
ジョビナッツィは最下位に終わり、ライコネンは11位でフィニッシュした。セバスチャン・ベッテルの失格が正式に確定すればライコネンは1点を手にする事になるが、いずれにせよポイント獲得の大きなチャンスがあったにも関わらす、現時点でアルファロメオはノーポイントに終わった形だ。
ライコネンの不満はもっともだが、それはマゼピンの比ではないのかもしれない。
僅か3周でクルマを降りたマゼピンは「周回数は稼げず、結果を得る事もできなかった。本当にクソみたいに迷惑極まりない」とぶちまけた。
「自分にとってというだけじゃない。今回のレースにはチームが欲していた大きなチャンスがあったのに、他のチームのミスによって退場させられてしまったんだから、兎に角ツイてない」
マゼピンは接触事故によってリタイヤせずレースを続行していたとしてもポイント獲得に至ったとは考えていないが、キャリアを長く続ける上で、こうした事態は決して好ましくはないと考えている。
「僕はF1でのキャリアが長く続いてくれると強く信じているけど、こんな状態で夏休みを迎えたくはない。全力を尽くして、せめて体と首を痛め、疲れた状態で週末を迎えたいのに…本当に腹立たしい」