ハースF1、2021年以降の残留の見通しは?ギュンター・シュタイナー代表語る
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ハースは2021年シーズン以降もF1に留まるのだろうか? オーナーのジーン・ハースは開幕オーストラリアGPを前に、シーズン序盤のパフォーマンスを以て参戦継続か撤退かを見極めるとしていたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でカレンダーは事実上全面的に凍結され、カナポリスに本拠を置くチームの先行きは一層危ぶまれている。
現時点で既に開幕9レースが無期限の延期を強いられ、ハースを含めたF1チームは収入源の大部分を絶たれている。こうした情勢がハースの将来をバックアップするわけもないが、マーティン・ブランドル、デビッド・クロフト、レイチェル・ブルックスと共に4月20日にSky F1のVodcastに出演したシュタイナー代表は、残留が最善策だと訴えた。
「このシナリオを最後まで見届けなければならないのは確かだが、今の計画(2020年シーズンで18~19戦を開催するプラン)を実行できれば今年は大丈夫だ」とシュタイナーは語る。「ジーン(ハース)とはほぼ毎日連絡を取り合っているし、彼は現在の状況に積極的に関わってくれている」
「我々はただ勤勉であらねばならない。バジェットキャップの導入によってF1チーム達は一つにまとまるだろうし、予算上限は激しい競争をもたらす手助けとなるはずだ。だから私は、我々はここに留まるべきだと思っている」
「中長期的な解決策を見つけられるのであれば、彼(ジーン・ハース)は参戦継続を望んでいる」
シュタイナー代表の「留まるべき」との発言の裏には、留まるべきだと考えていない人物への説得的な意味合いが見え隠れする。ハース首脳陣全員が「留まるべき」と考えているのであれば、こうした発言は出てこない。口から出る言葉とは裏腹に、やはり状況は明るくないと見るべきだろう。
チームの母体であるハース・オートメーションは、1983年に設立された西半球最大の工作機械メーカーで、マシニングセンターやCNC旋盤などを製造している。都市のロックダウンやエンドユーザーの需要低下に伴い、主だった製造業の見通しは明るくなく、ハース・オートメーションの先行きがバラ色でない事は確かであり、それがロマン・グロージャンとケビン・マグヌッセン擁するF1チームに直接的な影響を与えるであろうことは想像に難くない。
無論苦しいのはハースだけではない。F1チーム代表たちはリバティメディア首脳陣および国際自動車連盟(FIA)と共に、カレンダーの再編によって失われた収入を可能な限り取り戻し、ランニングコストを抑えるための方法について話し合いを続けている。
平時とは異なり、今は顔を突き合わせての話し合いが出来ないため、会議はオンライン上で行われる。会合の実際の様子はどんな感じなのだろうか? シュタイナー代表は「だいたい25人位参加してるよ。この前数えてみたんだ!時にダラダラ長引くこともあるけど…」と説明した。
ハース残留の望みの1つは予算上限の更なる引き下げだろう。F1では来シーズンより年間1億7,500万ドルを上限にチームを運営する事が義務付けられているが、プライベーターに代表される小規模資本チームはこれを1億ドルにまで引き下げる事を求めている。