「ウィリアムズは金に魂を売った」とF1王者のビルヌーブ。同胞ランス・ストロールを批判
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1997年にウィリアムズでF1ワールドチャンピオンを獲得したジャック・ビルヌーブは、「ウィリアムズは金に目がくらみ魂を売った」として、イギリスの名門チーム及び、同じカナダ人ドライバーのランス・ストロールを批判した。
ランスの父ローレンスは総資産2400億円の大富豪であり、ストロールのF1デビューに際しては日本円にして総額91億円もの資金をウィリアムズに支払ったとされる。ビルヌーブは独Auto Bildに対して次のように語った。
「彼らは数十億という金をもたらすローレンス・ストロールに魂を売ってしまった。ローレンスは息子のことしか気にかけていない。マッサはランスよりも速かった。ランスのバクーでの表彰台はただ運が良かっただけに過ぎす、私は納得していない」
ストロールは完走僅か13台という大混乱のアゼルバイジャンGPで3位表彰台を獲得するも、年間を通して予選・決勝ともにチームメイトのフェリペ・マッサに大差をつけられルーキーシーズンを終えた。ビルヌーブはしばしばストロールのパフォーマンスを批判しており「F1史上最悪のルーキー」とまで言い放った事もある。
ビルヌーブの発言の背景には、ウィリアムズの来季ドライバーラインナップを巡る「ペイドライバー」問題がある。ウィリアムズは契約を延長せずにマッサを放出、未だ2018年シーズンのラインナップを発表していない。だが、ストロールの残留は確実と考えられており、その僚友にはロシア人ドライバーのセルゲイ・シロトキンが収まる見通しとなっている。
シロトキンは、ウラジミール・プーチン露大統領の友人ボリス・ロマノヴィチ・ローテンベルクが所有するSMPグループの支援を受けており、日本円にして15~30億円ものロシアンマネーがウィリアムズに流れ込むと見られている。一部ではシロトキンとの契約は2年との報道もあり、一時は筆頭候補に挙がっていたロバート・クビサのF1復帰は絶望視されている。
ビルヌーブ以降ウィリアムズはF1王者を輩出しておらず、年々財政面の問題が深刻化している。フォーミュラ1は才能と金の両方がないとグリッドに並ぶことができないと言われるが、その傾向は年を経る毎に強まっている。