サージェント後任論争にベッテル参戦「不当な烙印」を押されたシューマッハを”猛プッシュ”
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リアム・ローソンとミック・シューマッハが有力視されているローガン・サージェントの後任について、4度のF1ワールドチャンピオン、セバスチャン・ベッテルとメルセデスのトト・ウォルフ代表は後者を推している。
連戦ということで時間が限られており、実際にドライバー交代に至るかどうかは不透明だが、オランダGPで激しいクラッシュを喫したことで、アップグレードされたばかりのFW46に大きな損傷を与えたサージェントについてウィリアムズは、シーズン途中での交代を真剣に評価し始めたとされる。
来季以降の契約を持つカルロス・サインツ(フェラーリ)にサージェントがシートを譲るまでにはあと9レース残されているが、ウィリアムズのジェームズ・ヴァウルズ代表は次戦イタリアGPでの交代に向け、ウォルフやレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表を訪ね、シューマッハやローソンのレンタルについて話し合ったようだ。
7度のF1ワールドチャンピオン、ミハエル・シューマッハの息子ミックは、2022年末にハースを離れて以来、F1への復帰を目指しながらメルセデスのF1リザーブドライバーを務めており、今季はアルピーヌからFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦している。
シューマッハの友人であり、師でもあるベッテルは独Bildに対して「もし僕に決定権があるならミックを選ぶね。もちろん、彼は友人だから少し偏っているかもしれないけど、彼が最善の選択肢だと思う」と語った。
「ミックはF1で2年間の経験があるし、今の役割を通じてかなり広範な技術的知識を得ている。メルセデスエンジンも熟知しているし、ハースを離れて以来、人間的にも大きく成長した」
「みんなはミックに対して誤ったイメージを持っていると思う。ミックは優れたレーシングドライバーだ。F2とF3でチャンピオンを獲得したけど、それは並大抵のことじゃない」
「今は更に成熟しているし、ウィリアムズで活躍できると僕は確信している。特に他の候補とは違って、彼はF1のドライバーラインナップやサーキットを熟知している。これは大きなアドバンテージだ」
シューマッハは現役当時、グリッド最後尾争いを繰り広げていたハースでレースをしていた。そんなシューマッハに対する世間の見方は誤っているとベッテルは考えている。
「適切な環境に身を置くことが常に重要だ。彼は私生活では既にそれを持っているけど、ハースではそれが十分じゃなかった。そういう時はどんなドライバーであれ、自分自身とクルマから最大限の力を引き出すのが難しくなってしまう」とベッテルは主張する。
「ウィリアムズではそれができると思う。彼がこのチャンスを得て、自分の実力を世界に示すことを願っている」
「ハースでの2シーズンによってミックは不当な烙印を押されてしまった。もちろん、彼にもミスはあったけど、クルマの競争力が欠けていた。多くの人が彼に対して誤ったイメージを持っていると思う」
シューマッハの現在の上司、ウォルフもまた、シューマッハを支持している。
F1公式サイトによるとウォルフはオランダGPを経て、「ミックがチャンスを得られることを強く願っている。我々はまだ、彼の本当の力を見ていないからだ。F4、F3、F2で勝利を重ねてきたのに、F1で成果を出せないわけがない。彼にはチャンスが必要だ」と語った。
「もしウィリアムズでチャンスが得られるのであれば、我々はそれを歓迎するつもりだが、それはジェームズ・ヴァウルズが決めることだ」
ウィリアムズが求めているのは今シーズン終了までの代役に過ぎず、2025年のシートに空きはないが、それでもシューマッハにとってこれは、F1復帰に向けて更なるチャンスを得るための貴重な機会となるだろう。