ベッテル、失意のフェラーリ最終年に「後悔なし」アストンマーチンでの新たな旅路に超ハイテンション
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チームメイトのシャルル・ルクレールに対してトリプルスコアの完敗を喫し、ドライバーズランキング13位に終わった失意のフェラーリ最終シーズンを経て、新生アストンマーチンでの新たな旅路をスタートさせるセバスチャン・ベッテルのテンションは”超”高い。
幼少からの夢であった赤きクルマでの6シーズンで、ベッテルが5度目のタイトルに挑戦する事はなかった。マラネロは次世代のチームリーダーとしてルクレールに白羽の矢を立て、行き場を失った4度のF1ワールドチャンピオンは、61年ぶりの復帰を果たすアストンマーチンへと移籍した。
チームは3日、2021年型F1マシン「AMR21」を世界初公開した。光沢のあるブリティッシュグリーンに、BWTの意向を組んだものと思われる繊細なマゼンタのストライプが入ったカラーリングはベッテルの胸の鼓動をより一層高めた。
ベッテルは「胸がワクワクだよ。マシンは本当に、すっごくクールだと思う。僕にとってはこれまでとは全く異なる完全に新しいコンセプトのマシンだ」と目を輝かせる。
新車発表の翌4日、チームはファクトリー脇のシルバーストン・サーキットでAMR21のシェイクダウンを行う。ベッテルはこれに先立って、経験した事のない車体とメルセデス製F1パワーユニットに慣れるべく、シミュレーターで準備を重ねた。
「幸運にも少しばかり走って幾らかマシンのフィードバックを得る事ができた。リアルさと相関という点で、シミュレーション開発は終わりのないものだと思う。僕らにはまだまだやれる事がたくさんある」とベッテルは説明する。
「シミュレーターというものは、使用するハードウェアによって挙動やフィーリング等、色々な事がちょっとずつ違うから、これまでのものと比較するのは本当に難しい」
世界選手権王者として、グリッドに立つベテラントップドライバーとして、ベッテルは今後のキャリアを決定付けかねない正念場を迎える事になる。
昨年、パワーユニットの性能不足で競争力を欠きながらも、シーズン後半に向けてチャンスを築き得点を重ねていったルクレールが98ポイントをもぎ取った一方、ベッテルはその3分の1の33ポイントに留まった。
「クルマのスペックが違うのでは?」「チームからの放出が決まった事でサポートが手薄いのでは」様々な憶測が飛び交う事態となったが、ベッテル本人は「後悔はない」としてあくまでも先を見つめている。
「パフォーマンスという点で昨年の出来に満足していないのは確かだ。自分のパフォーマンスに関してもね。ただ、後悔はしていない。当然、もっと上手くやりたかった事もあるし、もっと違った方法でやりたかった事もあるけどね」
「ただ結局のところ、今の僕は今シーズンを本当に楽しみにしているんだ。去年の事に関しては、自分が求める水準に達していたなかったわけだけど、もう吹っ切れた気持ちでいる」
「他人の考えや言うこと、そしてどんな風に書かれているのかなんて気にした事はない。常に平穏な心を持つことが重要だと思っているから」
「さっきも言ったけど、兎に角今は今年の事が楽しみでしょうがない気分なんだ。自分に対して本当にスッゴク、最高に期待している」