フェルスタッペン対ハミルトンのF1王座戦、勝つのは誰? フェラーリ代表ビノットが賭けるのは…でも応援するのは…

レッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表と話をするフェラーリのマッティア・ビノット代表、2020年7月27日F1ドイツGPにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

イギリス及びハンガリーでの前半終盤2戦を経て再び混戦模様と化した王座戦の行方について、スクーデリア・フェラーリのマッティア・ビノット代表がマックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトンのどちらが勝つかを予想した。

今季のフェラーリは自他共に予想していた通り、チャンピオンシップ争いの蚊帳の外に置かれているため、当事者に問うても意味がないという点でビノットは予想を口にするに足る人物と言える。興味深いことにマラネロの指揮官にとって、勝って欲しいと思うドライバーと実際にタイトルを手にするであろうと考えるドライバーは異なるようだ。

2021年のルイス・ハミルトンとマックス・フェルスタッペン

史上最多となる8度目のタイトルを目指すハミルトンは第4戦スペインGPまで選手権リーダーとしての差を広げていたものの、以降はレッドブル・ホンダRB16Bを駆る無冠の若手、フェルスタッペンが立て続けに勝利を重ねていった。

だが、サマーブレイクを前にシルバーストンで開催されたレース1周目にハミルトンとの接触事故が発生。リタイヤを強いられた挙げ句、ハンガロリンクでの翌戦でも1周目にクラッシュに巻き込まれ大量ポイントを失い、ドライバーズ選手権でのリードをライバルに明け渡して8点差を許す結果となった。

ビノットは伊紙ガゼッタ・デッロ・スポルトに対して、フェルスタッペン対ハミルトンのタイトル争いは「2人の偉大なドライバーによる興味深い戦い」であり、最終戦までもつれる事を望むとして上で、もし金を賭けるとしたら「ルイスに賭けるだろう」と語った。

その理由としてビノットは「最終的にはメルセデスが勝つと思うから」と説明する一方、「だが私はマックスを応援している。現状が打破される事はこのスポーツにとって良い事だからね」とも述べた。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

2021年6月20日F1フランスGPの表彰台に上がったフェルスタッペンとハミルトン

フェラーリはキミ・ライコネンによる2008年の選手権制覇を最後に栄冠から遠ざかっているものの、ビノットは2022年の目標を「レースで勝利できるようになる事」としており、強力なドライバーラインナップもあって、遅かれ早かれ成功する運命にあると考えている。

「2020年は1980年以来となる最悪のシーズンだった。我々のクルマはストレートで本当に遅かった。だが今季はこれまでのところ良い仕事ができており、満足できる成績を残せている」とビノットは語る。

「シャシーやフロントサスペンションを昨年と同一スペックにしなければならない等、レギュレーションの制約が多く、更には空力開発の時間が制限されながらも、我々は11戦を終えて去年の2倍以上のポイントを集める事ができている」

「私はルクレールとサインツがF1で最高のドライバーデュオだと確信している。彼らは若いながらも共に才能に溢れた速いドライバーであり、その将来は保証されている」

「我々の支援の下でキャリアを歩んで来たため、シャルル(ルクレール)に関してはよく知っており、その能力に疑問を持ってはいない。モンテカルロでのアクシデントとハンガリーでのスタート時の不運がなければ彼は勝利と表彰台を手にしていただろう」

「またカルロス(サインツ)の方はポイントを稼ぎ出し、エンジニアとのコミュニケーション能力にも長けている。それにチームにも溶け込んでいるし、クルマへの理解をますます深めているから、後半戦ではミスのない完璧な週末を実現してくれると期待している」

「個性豊かな彼らが協力している姿は、未来への希望を感じさせてくれる」

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