フェルスタッペン、僚友ペレスの母国F1メキシコでボディーガード同行…安全懸念を理由に
Published: Updated:
大ブーイングが鳴り響いたF1アメリカGPを経てレッドブル・レーシングは、セルジオ・ペレスにとっての母国F1メキシコGPでマックス・フェルスタッペンに2名のボディーガードをつけ安全対策を強化する。
独「AUTO BILD」によると、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコが認めた。フェルスタッペン本人はあまり望んでいないとしつつも、チームには安全を確保する責任があると説明した。
用心棒起用の背景についてマルコは明らかにしていないが、メキシコのファンが大挙したオースティンでは、優勝したフェルスタッペンに対して表彰台セレモニーで野次が飛び交い、その合間にペレスを応援する「チェコ・コール」が鳴り響いた。
これについてチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、「マックスがメキシコで最高に温かい歓迎を受けるとは思わないが、あれはアヒルの背中に水をかけるようなものだ」と述べ、3度のF1王者にとっては「蛙の面に水」だとしつつも、メキシコでも同様の事態に直面する可能性に触れた。
ペレスの一部ファンは、自分たちのヒーローが今年調子を崩しているのはチームメイトのせいであるとして、フェルスタッペンを敵視していると伝えられている。
ボディーガードと聞くと物々しい感じもするが、昨年はガレージやホスピタリティに多くのファンが押し寄せ、ピエール・ガスリーは手にしていたバックが勝手に開られる事態に遭遇した。
チーム首脳陣やペレス本人、またペレスの父親ですら否定している通り、それは決してフェルスタッペン重視の表れではないものの、シーズンを通した車体改良に伴い2人のドライバーのギャップは拡大しており、競争力を失ったペレスは負のスパイラルから抜け出せずにいる。
フェルスタッペンがアメリカGPで今季15勝目を挙げた一方、ペレスは同レースを4位で終えた。今シーズンの勝利数は2回に留まっており、今季のダブルチャンピオンを獲得したRB19を愛機としながらも、ルイス・ハミルトンとの差は僅か39ポイントと、ドライバーズランキング2位の座も危うい。
アメリカGPに先立っては、ランキング2位を維持できなかった場合、2024年の契約を締結しているにも関わらずペレスが解雇されるとの報道、憶測が飛び交った。
週末に先立ちペレスはこれを全面的に否定。ホーナーも同じ週末に、そもそもレッドブル・レーシングはこれまでドライバーズランキングで1-2を達成した事は一度もないとして、ペレスにそのような「義務」はないと強調した。