メルセデスとの”戦争”のようなF1王座争いを経てフェルスタッペンをアイルトン・セナと比較するマルコ
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レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、ルイス・ハミルトン(メルセデス)との”戦争”のようなタイトル争いを経てF1ワールドチャンピオンに輝いたマックス・フェルスタッペンは、人格やカリスマ性といった点で伝説的F1ドライバー、アイルトン・セナに匹敵する水準に達したと考えている。
昨年、そして今年こそ、レッドブルは一貫した優勝争いに絡んでいるが、2014年に始まったV6ハイブリッド時代はそもそもメルセデスの独壇場だった。強力なパワーを誇るエンジンは信頼性も高く、シャシーは他の追随を許さないパフォーマンスを生み出し続けた。
フェルスタッペンがトロロッソでデビューした2015年は既に、シルバーアローが支配的な力を誇示する時代だった。
フェルスタッペンはデビューの翌年のシーズン途中にレッドブルへの昇格を果たすと、以降6年間に渡ってメルセデスへの挑戦を続けた。その茨の道は才能を磨き、熾烈なライバルに勝つためのハングリー精神を磨く事となった。
2021年シーズンはF1史に残る壮絶な闘いとなった。メルセデスは劣勢に追い込まれながらも、開発パーツのないクルマから次々とパフォーマンスを掘り起こし、ハミルトンは絶望的な状況に追い込まれても不屈の闘志で逆境を覆し続けた。
ただ、最終戦の最終ラップまでもつれ込んだ史上最も過酷で熾烈なタイトル争いを制したのはフェルスタッペンだった。
マルコはRed Bulletinとのインタビューの中で次のように述べ、昨年のタイトル争いは「戦争」のようだったと評した。
「私はレッドブル・レーシングに20年近く在籍しているが、昨シーズンのメルセデスとの間のような雰囲気を味わった事は決してなかった。あれは戦争のようだったと言いたいね」
また、キャリアの頂点を極めたフェルスタッペンをF1の伝説と比較して「人格、責任感、自信、カリスマ性という点ではアイルトン・セナに匹敵する」と述べ「あと10年はこのレベルでドライブする姿が目に浮かぶよ」と語った。
テクニカル・レギュレーションが史上稀に見る大改訂を受けた今年、タイトル争いの主役には、イタリアの赤き伝説、スクーデリア・フェラーリが名乗りを上げた。
防衛に臨むフェルスタッペンの前に立ちはだかるのはハミルトンではなく、シャルル・ルクレールであり、マルコに言わせれば、それは昨年の戦いとは異なる次元にあると言う。
「シャルル・ルクレールとの現在の戦いは、ハミルトンとの戦いとはレベルが違う」とマルコは語る。
「彼らは同世代でカート時代からお互いを知っている。フェラーリとの決闘はメルセデスとのそれとは感情的に異なる。我々は(フェラーリと)似たような仕事の取り組み方をしている」