”遠隔支援”でフェルスタッペンの逆転優勝をお膳立てしたペレス、チームワークで掴んだレッドブル・ホンダの1-3
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10月24日(日)に行われたF1第17戦アメリカGP決勝レースで終始、3番手を走行していたレッドブル・ホンダのセルジオ・ペレスは、直接ルイス・ハミルトン(メルセデス)とバトルを繰り広げる事はなかったが、離されずに背後を走る事によって間接的にチームメイトの逆転優勝をお膳立てした。
ターン1でハミルトンにラップリーダーの座を許した僚友マックス・フェルスタッペンは、戦略でトラックポジションを取り戻すべく10周目にいち早くピットに向かい、アンダーカットを仕掛けた。
だがメルセデス陣営は翌周に反応せず、終盤での逆転を目指すべくステイアウトして第1スティントを引っ張る作戦に打って出た。反応してもポジションを守り切れないと判断したためだろう。
そこでレッドブル・ホンダ陣営は、ハミルトンを自分達と同じ土壌に引き込むべく、もう1台のRB16Bを駆るペレスを12周目にピットインさせた。
この時ペレスはハミルトンの後方5.227秒の位置につけていた。ペレスにまでポジションを許すわけにはいかず、メルセデスはその翌周13周目のピットストップを余儀なくされ、フェルスタッペンがラップリーダーを奪還した。
レースを終えたペレスは「アンダーカットを仕掛けた事でルイスは僕をカバーしてピットに入る他になく、それによって前を走るマックスを助ける事ができた。チームとして本当に満足できる結果だ」と1回目のピットストップを振り返った。
「あれによって彼は自分にとって最適なレースを展開する事ができなくなった。その意味で上手くいったと思う」
結果的に2戦連続での表彰台を獲得したものの、路面温度が40度にまで達する過酷なレースで水分が補給できず、ペレスにとっては辛く険しい56周だった。
「これまでのキャリアの中で最も厳しく長いレースだった」とペレスは語る。
「レース前から気分があまり良くなくて、おまけに1周目にドリンクシステムが止まってしまい、この暑さだから体力的に本当にきつくてね」
「20周目位にはもうクタクタで、マックスとルイスについていけなかったのは残念だよ」
「それにタイヤ的に不利だった。スクラブされたミディアムで戦わなきゃならなかった。今日のデグラデーションの酷さを考えると、かなり不利だったと思う」
「でも前向きな材料もたくさんあったし、チームとして良いリザルトを得て2週連続で表彰台に上がれて良かったよ」
チームは好調な勢いを保ったまま、エルマノス・ロドリゲス・サーキットを舞台とする次戦メキシコGPに向かう。
「次のメキシコGPが楽しみで待ちきれないよ。このチームは伝統的にメキシコで成功を収めているし、今のパッケージは僕のホームレース向きだと思う。地元ファンの前でまた表彰台に上がりたいね」