メルセデス、FP1の全てを来季タイヤのテストに費やす余裕「興味深いデータが取れた」F1アメリカGP《初日》
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メルセデスAMGのルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスが、11月1日(金)に行われたF1第19戦アメリカGP初日プラクティスを振り返った。
メルセデスは既に今季コンストラクターズタイトルを手中に収め、ドライバーズタイトルも、ハミルトンかボッタスいずれかという状況にある。COTAでの初日2回のセッションでは、2020年型のピレリタイヤのテストが許可されていたため、シルバーアローはFP1の全てをこれに投じた。
2台のW10は、タイヤ後方の気流を計るために大型のエアロレイクを搭載。時折ピットへと戻りセットアップを変更しながら、翌日以降の予選・決勝には目もくれず、黙々と周回を重ねた。
午後のFP2では週末に向けた準備へと切り替え、ハミルトンがトップタイムを記録。ロングランでも印象的なペースを刻んだ。対照的にボッタスは、ロングランはまずまずながらも、ショートランではハミルトンとは異なり、トウを得られなかった事もあって5番手と、やや苦戦を強いられた。
テクニカルディレクターを務めるジェームス・アリソンは、来季仕様のコンパウンドを履いてのテストプログラムについて「現行のタイヤとのベースラインの差異を理解する事に取り組んだ。今後数日をかけてデータの解析作業を行う予定だ」と明かした。
メルセデス:F1アメリカGP初日
ルイス・ハミルトンFP2: 1位, FP1: 8位
今日は路面温度がかなり低かったけど、日が差してくれたのは有り難かった。最初のセッションでは2020年仕様のタイヤを試したんだ。面白かったよ。FP2はいつも通りに時間を使った。かなり順調だったと思う。
今年の路面はいつも以上にバンピーだね。バンプはそのコースの特徴になり得る要素だし、僕は完璧にスムーズな路面を持つサーキットはあまり好きじゃないんだけど、それにしたって、ここのバンプはとにかく巨大だ。
ドライバー的に何が困るかというと、サスペンションでは衝撃を吸収しきれず、フロアの上に直に座っているような感じで、衝撃が背骨にモロに加わることだね。あまりにも酷く感じられたから、2回目のセッションに向けて改善するようクルマを少し変更したよ。
このコースは大好きだし、今日のマシンは悪くなかったし、明日以降も楽しみだよ。でも、やるべき仕事はまだ残ってる。今夜は念入りにデータを分析して、明日に備えるつもりだ。
バルデリ・ボッタスFP2: 5位, FP1: 17位
午前のセッションは全て、来季のための開発作業に費やしたから、ラップタイムに殆ど意味はない。新しいスペックのタイヤを履いてのデータ収集に集中的に取り組んだんだけど、かなり面白かった。とにかく、タイムは気にせずプログラムを消化するだけだった。
今朝は本当に寒かったね。マシンに乗ってる時は暖かいし、汗が出ることだってあるんだけど、そうは言っても路面温度が低すぎて、タイヤを温めるのが本当に大変だった。
一部の路面は本当にバンピーだね。特にターン5とターン6が酷い。このエリアは高速セクションだから、リアエンドが十分に安定していない状態でバンプに乗ると、クルマがラフに動いてしまうんだ。それに、バンプのせいでターン1へのブレーキングも難しかった。かなり正確に制動力をコントロールしなきゃならなくてね。
上位チームはかなりの接戦だけど、僕個人としては、FP2で若干苦戦してしまった。どういうわけかストレートでタイムを失ってたし、クルマのフィーリングがバシッと決まっていない状態だったから、今夜はその部分を調べてみるつもりだ。
初日をトップで締め括ったのはメルセデスのルイス・ハミルトン。2番手シャルル・ルクレールと3番手マックス・フェルスタッペンに対して0.3秒差をつけたが、タイム計測の際にバックストレートでスリップストリームの恩恵を受けており、トップ3は拮抗している。
2019年F1アメリカグランプリ3回目のフリー走行は、日本時間11月2日(土)27時から28時まで、公式予選は同30時から1時間に渡ってサーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催される。