新フォーマットはアルファタウリ・ホンダの競争力に負の影響を及ぼし得る、とピエール・ガスリー
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ピエール・ガスリーはFIA-F1世界選手権第10戦イギリスGPで導入される変則的なフォーマットがアルファタウリ・ホンダのパフォーマンスに負の影響を及ぼす可能性があると考えている。
スプリント予選レースの導入に伴い、シルバーストンでの初日は1時間のプラクティスを経ていきなり予選が行われる斬新なスケジュールとなっており、日曜の決勝レースに向けてセットアップ作業に取り組めるのはFP1の僅か1時間のみとなる。
ファエンツァの今季作AT02についてガスリーは、レースペースより予選ペースの方がライバルに対する相対的な競争力が高いと考えており、それが故にレースペースを引き出すための時間が限られるシルバーストンのフォーマットがネガティブに働く事を懸念している。
イギリスGPに向けてガスリーは「今週末の一番の違いは土曜日にレースが行われる点だ」と述べ、鳴り物入りで試験導入されるスプリント予選に触れた。
「要は予選前にクルマをセットアップするためのフリー走行が1回しかないって事なんだけど、これは凄く大きな変化だからコースに出る前の段階からいつも以上にしっかりと準備をすることが大切で、イニシャルセットで予め良いベースを作り上げておく事が重要になる」
「新しいフォーマットでの週末に際しては、レーストリムでのマシンの動きがこれまで以上に鍵になる。これは僕らにとって予選と比べると少し課題が多い部分だ」
「概ね僕らは予選でライバルの上をいくパフォーマンスを発揮できているから、決勝で巻き返してくるライバルチームを相手にしても、多かれ少なかれ自分達がいるべき場所でレースを終える事ができている状況だ」
レースペースに課題を抱えつつも、前戦オーストリアGPでは6番グリッドからスタートして3ポジションダウンの9位でフィニッシュするなど、AT02とガスリーは今季9戦を終えて7度の入賞を飾っている。
ガスリーは「レース向けのクルマ作りという面で多少やるべき仕事が多い」としながらも、前戦のレース内容に触れて「他とは異なる戦略を採用してトップ5から4~5秒遅れでフィニッシュできている」として、結果として毎戦に渡って上位に食い込めているため「トータルで見れば大きな問題はない」とも強調した。
「オーストリアでの第2レースは決して楽じゃなかったけど、それでも良い結果を残すことができたわけで、僕らは常に勝負の土俵に立てていると言って良いと思う。第1レースの方は開始早々に終わってしまったけど、全体的にチームとして良い仕事ができているし、クルマも上手く機能しているから、すべてが正しい方向に向かっていると思ってる」
「スプリント予選という新しいフォーマットでどういうシナリオがあり得るのかを探るためにエンジニアの皆と懸命に仕事に取り組んできたし、僕としてもシミュレーターを使って試行錯誤してきた。楽しくなるよきっと」
「あとは安全性という観点からピレリの新しいタイヤが供給されるけど、オーストリアで試した経験からすると、従来型のタイヤとかなり似通ったフィーリングになるんじゃないかと思ってる」
なお今年のイギリスGPは英国政府のイベント・リサーチ・プログラム(ERP)に選ばれた事を受け観客を総動員する。
昨年はパンデミックの影響で無観客を強いられたが、2019年大会では3日間を通して延べ35万1000人を動員。決勝レース当日だけでも14万1000人のファンがサーキットに訪れている。ガスリーはグランドスタンドにファンが戻ってくるのを心待ちにしているという。
「シルバーストンは僕のお気に入りのコースの一つで、特にマゴッツとベケッツが最高だ。あのコーナーを駆け抜けるのはシーズン中で最もエキサイティングな瞬間と言って良いだろうね」
「オーバーテイクが難しいだなんて言われているけど実際には可能で、昨年はシケイン手前の右コーナーでセブ(ベッテル)をアウト側からパスしたりと、楽しくバトルする事ができた」
「オーストリアではファンの見ている前でレースができて楽しかった。シルバーストンは観客を総動員するみたいだし、最高の雰囲気の中でレースをするのを本当に楽しみにしている」
イギリスGPの舞台となるのは1周5891m、全18コーナーを有するF1発祥の地、シルバーストン・サーキットだ。
昨年のグランプリでは序盤に2度に渡るセーフティーカーが導入された挙げ句、最終盤には3台がタイヤブローに見舞われる波乱のレースとなった。
結果としてはファイナルラップに左フロントタイヤをパンクしながらも執念でフィニッシュラインまで走りきったルイス・ハミルトン(メルセデス)がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、3位にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続いた。
F1イギリスGPは、日本時間7月16日(金)22時30分からのフリー走行1で幕を開ける。