マクラーレン、イスタンブールでMCL35Mの”弱点”が露呈…リカルドに迫る4基目エンジンによる降格ペナルティ
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コンストラクター・ランキング3位につけるマクラーレンは10月9日のF1トルコGP公式予選でランド・ノリスが8番手、ダニエル・リカルドが16番手と奮わなかったが、これはチームにとって想定内の結果だった。
ノリスは「ザントフォールトと同じように、ここには長いエイペックスを持つコーナーがあって、僕らはそれに苦戦している」と語り、MCL35Mがイスタンブール・パークのコース特性にマッチしていないのだと説明した。
「これは想定内のことで、もう少し苦戦してもおかしくないとまで考えていたんだ。勿論、誰も好んで苦戦を予想したくはないから、実際にどうなるかを確認するまでは信じたくはないものだけどね。だから、驚いちゃいないよ」
チームメイトのリカルドにとっては今季2度目のQ1敗退と、より厳しい結果となったが、チーム代表を務めるアンドレアス・ザイドルは「ダニエルはイエローフラッグの影響で少し運がなかった」と責める事はなかった。
リカルドは7速260km/hで約6秒間の走行を強いられるマルチエイペックスのロングコーナー、ディアボリカ(ターン8)を含めた前半のセクターにフロントタイヤに負担が掛かるロングコーナーが多数ある点を指摘し、イスタンブール・パークは「僕らが最も得意とする場所とは言えない」と指摘した。
リカルドのポイント獲得の望みは絶望的だ。16番グリッドからトップ10への道のりは長く険しい。
「追い抜いていけるかどうかはまだ分からない。トップ10組の殆どがミディアムタイヤでスタートするし、戦略面で何ができるかを見極める必要がある」とリカルドは語る。
ここまで予選順位が悪く、ポイント獲得が期待できないとなれば、懸案のメルセデスエンジンを交換してペナルティ消化しておくのも一つの手だ。独auto motor und sportはマクラーレンが決勝レースに向けて、リカルドに4基目のメルセデスエンジンを投入するかどうかを検討していると伝えている。
アンドレアス・ザイドルは「メルセデスと話し合う必要がある。実は今週末に変更するという事は議題に上がっていなかったのだ」と語った。
仮に交換を行えば、リカルドはカルロス・サインツ(フェラーリ)と共にグリッド最後尾からレースをスタートする事になる。
ノリスにとってはスタートポジションを維持してフィニッシュできれば御の字だが、グリッド降格にる11番グリッドからの巻き返しを目指すルイス・ハミルトンを抑え切ることは難しい。
「メルセデスには我々を問題なく交わせるだけの速度差がある」とザイドルは危惧する。
「もちろん、できる限り戦うつもりだ。予選ではソフトに苦戦したが、レースではミディアムタイヤで少しでも良い結果が得られればと思っている。だが奇跡は期待していない」
予選最速を刻んだルイス・ハミルトンがエンジン交換ペナルティで10グリッド降格となる事から、バルテリ・ボッタスがポールポジションを獲得。2番手はマックス・フェルスタッペン。3番手はシャルル・ルクレールという結果となった。
2021年 F1トルコグランプリ決勝レースは、日本時間10月10日(日)21時にスタート。1周5,338mのイスタンブール・パーク・サーキットを58周する事でチャンピオンシップを争う。