角田裕毅のRB、F1イギリスGPに向け「混ぜ合わせ」の”単一パッケージ化”に成功

イタリア・ファエンツァのRBのファクトリーで作業に取り組むチームメンバー、2024年5月14日(火)Courtesy Of Red Bull Content Pool

RBのテクニカル・ディレクターを務めるジョディ・エギントンは、7月5~7日のF1第12戦イギリスGPに向けて、VCARB 01の空力パッケージを単一にまとめ上げることができたと明かした。

ミドル~ハイダウンフォース用のリアウイング、エンジンカバー、サイドポッドやフロアを含むアップグレードはスペインで不発に終わり、チームはオーストリアGPの週末を通して複数の構成を使い、検証、最適化のための一連のテストに取り組んだ。

ダニエル・リカルドの言葉を借りれば、オーストリアでのクルマはそれが最適解であるかどうかが未知数の新旧スペックが混在した「混ぜ合わせ」のパッケージであったが、週末を通して得たデータを元にシルバーストンに向けてチームは、最適なパッケージを割り出すことに成功したという。

「オーストリアGPの週末はVCARBにとって非常に厳しいものとなったが、3連戦の最終戦となるシルバーストンはすぐ目前に迫っている」とエギントンは語る。

「だが、最新の空力アップデートについてオーストリアで多くを学んだ結果、シルバーストンに向けて、最適化された単一の空力パッケージに収束することができた」

「加えて喜ばしいことに、一連の実験結果が直接、空力開発プロセスに反映されることになった。次の空力アップデートで目に見える利益がもたらされるものと確信している」

スペインおよびオーストリアでRBのドライバーたちは、特定コーナーでリアのグリップ不足に翻弄されていた。イギリスGPで好成績を上げるためにはスライドの制御が「重要な要件」だとエギントンは指摘する。

「シルバーストン・サーキットは、エンジン全開率がシーズンの平均を大きく上回るパワーサーキットに分類される。流れるような高速コーナーと、高速での方向転換が組み合わさったサーキットでは、空力性能と効率が重要なパラメータとなる」

「コプスやストウ、マゴッツ、ベケッツといったコーナーを含むこのサーキットの高速性はタイヤに大きな負荷を与える。そのため、タイヤの温度を適切に保つためにスライドを制御することも重要な要件となる」

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F1イギリスGPの舞台シルバーストン・サーキットの2021年版コースレイアウト図

オーストリアGPを14位で終えた直後の角田裕毅は、ペースが「あまりにも悪すぎた」として、「今週、少なくともこのレースに関しては、ポジティブなことは何もありませんでした」と悲観的な様子を見せたが、数日を経て幾らか前向きになったようだ。

「オーストリアを終えて、クルマを改善したことで自信を深めています。今週末はフリー走行が3時間あるため、クルマをより深く理解するチャンスです」と角田裕毅は語る。

「ドライバーとエンジニアにとって、ここで最高のセットアップを見つけるのは本当に難しく、天候が状況をさらに複雑にすることもありますが、シルバーストンでレースをするのは好きです」

「観客の皆さんは本当に素晴らしく、ファンは皆、すごく親切で、イギリス人ドライバーだけでなく、モータースポーツ全般に情熱を注いで応援してくれます」

「サーキット自体も歴史があり、高速で、ホームコースとは言えないまでも、近郊に僕らの施設があり様々な意味で重要なレースですので、良い結果を残せればと思っています」

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