「リスクを取った戦略」が角田裕毅のレースを損ねたとRB首脳陣、車体性能向上の必要性を合わせて強調
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ノーポイントに終わった8月25日(日)のF1第15戦オランダGP決勝を終えてRBの首脳陣は、「リスク」を取った2ストップ戦略が角田裕毅のレースを損ねる結果になったとの見方を示すとともに、クルマのパフォーマンスがライバルに対して劣っていたとも指摘した。
ソフトタイヤを履いてレースに臨んだ角田裕毅は、1周目にニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)、続く2周目にルイス・ハミルトン(メルセデス)にポジションを奪われ後退。早々に後手に回った。
そして1ストッパーが主流となったこの日のレースでRBのピットウォールは、33周目という早いタイミングで角田裕毅を2回目のピットストップに呼んだ。2ストッパー勢の中で角田裕毅の次に2回目のストップを行ったのはバルテリ・ボッタス(ザウバー)で、10周も後のことだった。
最終スティントで角田裕毅は、10周フレッシュなタイヤを履きながらもローガン・サージェント(ウィリアムズ)を攻略できず仕舞いに終わり、誰よりも多い6ポジションダウンの17位と厳しい結果に終わった。
角田裕毅を2ストッパーとした戦略について、チーム代表を務めるローラン・メキーズは「少しリスク」のあるものだったと認め、「それは上手くいかず、彼はレースの大半をトラフィックの中で過ごすことになった」と付け加えた。
また、テクニカル・ディレクターを務めるジョディ・エギントンは「ユーキの戦略は我々の期待通りに進まず、それが彼のレースを難しくした」と振り返り、「今週末は多くを検証しなければならない」と続けた。
オーソドックスな1ストップ戦略を取ったダニエル・リカルドは1ポジションアップの12位でフィニッシュしたが、それでもポイント獲得を懸けてレースを戦えたわけではなかった。
エギントンは「ダニエルのレースペースはまずまずで、周りのクルマと戦うことができたが、今日のレースでは、中団上位チーム間のレースペース差がほとんどないことが確認された」と語る。
「計画された空力開発を進めるだけでなく、予選とレース序盤のクルマのパフォーマンスをさらに引き出すことに集中する必要がある」
「なぜなら、この2つの要素はレース終盤のチャンスを最大限に生かすために重要な要素だからだ」
メキーズは「予選からして、我々の最も近い競争相手に比べてパフォーマンスが欠けていることは明らかだった。僅かコンマ1・2秒でもパフォーマンスが落ちると、トップ10争いが難しくなる」とした上で、残りのシーズンでポイントを獲得していくためには更なるパフォーマンスの改善が不可欠との認識を示した。
「非常にタイトな中団のトップで戦い続けるためには、クルマにもっとスピードをもたらす必要があることは十分に認識している。ファエンツァとビスターでは全員が全力でクルマの開発を進めている」
2024年のF1第15戦オランダGP決勝レースでは、ランド・ノリス(マクラーレン)が圧倒的なポール・トゥ・ウインで今季2勝目を飾った。
モンツァ・サーキットを舞台とする次戦イタリアGPは8月30日のフリー走行1で幕を開ける。