トヨタ、ルマン24時間バーチャル《preview》「凄く厳しい戦いになるはず」と小林可夢偉

トヨタ TS050 HYBRIDカラーのオレカ07 LMP2マシン、ルマン24時間バーチャルcopyright TOYOTA MOTOR CORPORATION

6月13日(土)と14日(日)にかけて初開催されるACO主催の「ルマン24時間バーチャル」。開幕に先立って、FIA世界耐久選手権(WEC)チームとして参戦するTOYOTA GAZOO Racingのドライバー達が豊富を語った。

本イベントではハイブリッドLMP1クラスが存在しないため、トヨタは他のプロトタイプクラス参戦チームと同じく、LMP2クラスのオレカ07を使用し、特別なTS050 HYBRIDカラーリングで参戦する。

2台体制、中嶋一貴に代わり山下健太が参戦

WEC 2019-2020年シーズンは6月のルマン24時間を以て閉幕が予定されていたものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で3月以降のイベントは大幅に順延され、ルマンを含めた残りの3戦は8月、9月、11月に延期された。

空白期間を埋めるべく、本来ルマン24時間レースが予定されていた13日と14日にバーチャルでの24時間レースが実施される事となり、招待を受けたトヨタはこれを受諾。WECシーズンと同じ7、8号車のゼッケンをつけた2台体制で参戦することを決めた。

今回のイベントの規約では1台あたり最低4名のドライバーが必要となる。そこでトヨタは、今回使用されるシミュレーターソフト「rFactor 2」及び、そのセットアップ特性への豊富な経験を持つ、有力なeモータースポーツレーサーを4人目のドライバーとして選択した。

7号車は、世界選手権ポイントリーダーでもあるレギュラードライバーのマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの3名に、フランス、ル・マン出身のシムレーサーであるマキシム・ブリアン(23歳)が加わる。

8号車はセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレーに加えて、TOYOTA GAZOO Racing WECチャレンジプログラムの育成ドライバーである山下健太が、レギュラードライバーの中嶋一貴に代わり出場。4人目にはオランダ・モンフォール出身のユーリ・カスドルプ(23歳)が加わる。

コンウェイ、ロペス、ブエミ、ブリアン、カスドルプの5名はヨーロッパ、ハートレーはニュージーランドの自宅からレースに参加する。小林可夢偉と山下健太は東京からの参加となり、中嶋一貴が山下のサポート役に回る。ドイツ・ケルンのTOYOTA GAZOO Racingエンジニアリングチームがセットアップやレース戦略の分析/開発を行い、ドライバー達をサポートする。

50台のエントリーリストには、IMSAやインディカーで活躍する米国モータースポーツ界のレジェンドであるペンスキー・レーシングや、マックス・フェルスタッペンとランド・ノリスという2名の現役F1ドライバーが所属するeモータースポーツの強豪、チーム・レッドライン、そしてWECのレギュラーチームであるレベリオン、アストンマーチン、そしてポルシェといった錚々たる名前が並んでいる。

タイムテーブル

フリー走行は6月9日(火)から11日(木)の中央ヨーロッパ夏時間午前10時から12時間に渡って、そして12日(金)は同午前10時より7時間に渡って行われる。スターティンググリッドは12日(金)の午後6時10分よりカテゴリー毎に20分ずつ開催される予選セッションで決定する。

決勝は伝統的なル・マン24時間レースと同じく、13日(土)の午後3時にスタートが切られる。各セッション及びレースの模様はソーシャルメディアやストリーミングサイトでライブ配信される予定となっており、詳細は近日中に主催者から発表される。

なお日本では、スポーツテレビ局「J SPORTS」が中嶋一貴と脇阪寿一をゲストに迎えてテレビで生中継すると共に、および「J SPORTSオンデマンド」でライブ配信する。

ドライバー・チーム代表コメント

村田久武 チーム代表

eモータースポーツは我々チームにとって新境地ですが、レースへの高揚感と共に謙虚な気持ちを持って、バーチャル・ル・マン24時間レースに臨みたいと思います。 本来6月13日から14日に行われる予定であったル・マン24時間レースが延期となったこの期間に、耐久レースファンの皆様がわくわくできるレースをお見せできればと思います。競争の厳しいeモータースポーツの世界で、我々に何ができるか、を見られることを楽しみにしています。

小林可夢偉(7号車)

24時間レースをファンの皆様に見て頂けるというのは素晴らしいことです! 非常に短期間に多くのことを覚えなくてはならないですし、我々はLMP2カーでの経験がありません。また、今回使用するソフトウェアも馴染みがないので大変厳しい戦いになると思います。簡単なレースにはならないと思いますが、このイベントは勝つことが目的ではありません。いつものル・マンの週末に、ファンの皆様のために全力を尽くします。

マイク・コンウェイ(7号車)

僕自身はeモータースポーツの経験はあまり多くないけど、新たな挑戦にワクワクしているし全力で挑むつもりだ。普段のWECのレースとは全く異なり、間違いなく苦戦するだろうね。他のチームの挑戦を見ていると、eモータースポーツがどれほど困難なチャレンジかはよく分かる。でもせっかくのチャンスを楽しむつもりだし、ファンにも楽しんでもらえたら嬉しい。

ホセ・マリア・ロペス(7号車)

僕はシームレースの経験が豊富だから、よく知っている。競争は信じられないほど激しく、トップのeレーサー達は非常に熱心で、膨大な時間をかけて練習している。それは僕らがこれまでにTS050 HYBRIDで走った時間よりも遥かに多いだろうね。またマイクや可夢偉、そしてマキシムと共にレースができるのを楽しみにしている。この自粛期間は、練習を重ねてチームの一体感を育むにはちょうど良いと思う。

マキシム・ブリアン(7号車)

TOYOTA GAZOO Racingの一員として参加でき本当に嬉しい。マイク、可夢偉、ホセの活躍はよく知っている。それにホセとはeモータースポーツで一緒に戦ったこともある。レースが待ち切れない。お互いに経験を供給し、学び合うことができるはずだと確信している。僕はこれまでシムレースでのルマンで何度か勝っている。地元ということもあって、何度戦ってもここでのレースは特別だ。

山下健太(8号車)

参加する機会が得られて本当に嬉しいです。本来であれば、この週末にはLMP2クラスのハイクラス・レーシングからル・マン24時間レースに初出場となるはずでした。それだけに、東京でTOYOTA GAZOO Racingの一員としてレースに出るのは異例ですが、ファンの皆様にエキサイティングなレースを見せられるよう全力を尽くします。

セバスチャン・ブエミ(8号車)

フォーミュラEのシムイベントに参戦してるから、このソフトにはもう慣れたよ。昨年のル・マンの時に、健太がグランツーリスモで最速タイムを出していたのを覚えている。なんとか彼を倒そうとしたんだけど上手くいかなかった。多分裏技でも知ってたのさ。そんな健太とユーリ、そしてブレンドンとレースを戦えるのが本当に楽しみだ。

ブレンドン・ハートレー(8号車)

セブとユーリはヨーロッパで健太は日本、そして僕はニュージーランドから共に24時間レースを戦う事になる。面白い経験になりそうだ。ドライバーはそれぞれ生活のタイムゾーンが異なるから、誰も深夜にレースをする必要がないのは良いことだね。最後にWECでレースをしてからずいぶん経ってしまった。待ち遠しいよ。

ユーリ・カスドルプ(8号車)

観客としてル・マンを見たことはあるけど、2人のル・マン勝者かつ世界チャンピオンでもあるセブやブレンドン、そしてSUPER GTチャンピオンの健太といった最高のドライバーと共にレースができるのは夢のようだ。千載一遇の機会だし、最高の体験になると思う。TOYOTA GAZOO Racingのユニフォームを着て、この最高のチームメイトと共に、僕の得意なシミュレーション上でル・マンを戦うのが待ちきれない。

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