17歳の新星アントネッリに贈られたフェルスタッペンの”金言”、F1ルーキーイヤーを勝ち抜くためのヒント

メルセデスジュニアのアンドレア・キミ・アントネッリとマックス・フェルスタッペン(レッドブル)Courtesy Of Mercedes / Red Bull Content Pool

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、ルイス・ハミルトンの後任として2025年のメルセデスF1候補に挙げられているアンドレア・キミ・アントネッリに対し、ルーキーイヤーを勝ち抜くためのアドバイスを贈った。

規定の変更なくして今後、誰も破ることができない17歳という史上最年少F1デビューを飾ったフェルスタッペンは、年齢を理由に自身を批判した者達を黙らせる活躍を見せ、23戦後にレッドブル昇格を果たすと、そのデビュー戦で初優勝を飾った。

ジュニア・カテゴリーのパドックで「フェルスタッペンに次ぐ才能」と高く評価されている17歳のイタリア人ドライバーは、フェラーリへと移籍する7度のF1ワールドチャンピオンの後任最有力候補と見られており、メルセデスでのF1デビューが濃厚だ。

そんなアントネッリについて26歳のオランダ人ドライバーは、ルーキーイヤーを通して自身が得た教訓を元にアドバイスを贈った。

フェルスタッペンはモナコで、「ルーキーである以上、学ばなきゃならない事がたくさんある。個人的にはフル・レースディスタンス(F1は90分程度)を走ることが一番の課題だった」と語った。

「当時のF3のレースは35分間だった。タイヤマネジメントも大きな要素だね。他のカテゴリーと比べて凄く特殊で繊細なんだ。今でこそF2もF3もピレリタイヤだけど、僕の時代はそうじゃなかった」

「良い瞬間や悪い瞬間を経験し、それをどう乗り越えるか、上手くいかない週末にどう対処するかなど、多くを学ぶ必要がある。でも、あまり深く考えず、自然に任せることも大切だね」

フェルスタッペンは今でこそ、その卓越したタイヤマネジメント能力が高く評価されているが、F1でのキャリア初期段階では未経験のピレリタイヤに手を焼いていた。

これは何もフェルスタッペンに限った事ではなく、例えば昨年のオスカー・ピアストリがマクラーレンのチームメイトであるランド・ノリスに対して明確に劣っていたように、新人ドライバーの誰もが通る道だ。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

F1初出走を前に緊張した表情を浮かべるトロロッソのマックス・フェルスタッペン、2014年10月2日F1日本GP

フェルスタッペンが贈ったもう一つの言葉は、失敗することを恐れるな、だった。

経験が乏しい事を自覚してミスは必然であると受け入れ、そこから学ぶ姿勢が重要との助言は、アントネッリが肩の力を抜くのに、そしてルーキーイヤーを成功させるのに、大いに役立つだろう。

フェルスタッペンはルーキーイヤーで数多くのミスを犯したが、2015年当時のトロ・ロッソはコンストラクター選手権7位のクルマであり、ミスをしても特段にスポットライトを浴びる事はなかった。

「キミが凄く才能に溢れたドライバーだって事は明らかだから、過度に心配する必要はないと思うけど、失敗することが必要だと思う」とフェルスタッペンは語る。

「理想的には、チャンピオンシップ争いなんかをしていない時にミスをするのが良いだろうね。幸運にも僕はトロ・ロッソでキャリアを始めた。あまり注目されていないから、何度か馬鹿げたミスをしても問題ない環境だった」

「でもミスをする事が重要なんだ。『これをしてはいけない、あれをしてはいけない』と常に自分に言い聞かせていたとしても、実際に失敗してそこから学び、前進することでしか本当に適応する事はできないからね」

「人として成長する事も大切だ。私生活で自分が何を望んでいるかを知ること。そしてレーシングカーのセットアップを時間をかけて理解する事が重要だ」

「クルマは進化していくものだけど、特定のチームで(長く)過ごすと、ある時、どうすれば上手くのか、上手くいかないのかって事が多かれ少なかれ分かってくる。レースエンジニアや周りの人たちと長く過ごせば過ごすほど、自然と分かってくるものなんだ」

「でもまぁ、あまり深く考えずに、それを自然に任せることが重要だ。若いうちは兎に角、速く走る事、ミスをする事、レースで結果を出す事に集中して、考え過ぎないようにするべきだと思う」

「今ならすべてを説明できるだろうけど、当時はそんな事は分からなかった。だから兎に角、気楽にやるんだ。そうすればチームにいる素晴らしい人たちが色々、教えてくれるはずだ」

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