田辺TD、ホンダF1撤退前最後のFIA会見…タイトル争い、7年間の挑戦、レッドブル・パワートレインズ転籍の可能性について語る
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11月12日に行われたF1サンパウロGPのFIA金曜プレスカンファレンスにホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターが出席。メルセデスとのタイトル争い、ホンダ第4期F1活動を開始した2015年からの7年間の総括、レッドブル・パワートレインズへの転籍の可能性等、様々な質問に答えた。
インテルラゴスを含めてシーズンは残り4戦。フライデー・カンファレンスも今回を除くと後3回を残すばかりで、どうやら今回が田辺TDにとって最後の金曜会見になる可能性があるようだ。
以下、公式予選前に行われた会見の模様を全文書き起こしの形で紹介したい。
F1サンパウロGP 田辺TDの質疑応答
Q:タナベさん、今回のレースに向けてホンダとしての自信の度合いを教えてください。
田辺 豊治
…そうですね、これまでのところレッドブル・レーシングとアルファタウリの4台は、シーズン終盤に向けて順調に推移しています。常に自信があるわけではありませんが、過去数戦を経て少し自信を感じています。今回もいつも通りにプッシュしていますし、万が一のアクシデントや想定外の事態に備えて万全の準備を整えていきたいと思っています。
Q:チャンピオンシップ争いでは現在、フェルスタッペンがハミルトンに19ポイント差を、レッドブル・ホンダはメルセデスに1ポイント差をつけていますが、両チャンピオンシップ争いにおいて勢いを感じていますか?
田辺 豊治
シーズン序盤から好調なパフォーマンスを発揮して両方選手権に挑戦し続けられている事をとても嬉しく思っています。チャンピオンシップを獲得するのは簡単なことではありませんが、残されているのは4レースです。たった4つと言われるかもしれませんが、我々にとっては長く、長く、そして厳しい戦いです。
Q:エンジン・ペナルティについてはどうですか?ユーキ(角田裕毅)は前回のメキシコでペナルティを受けました。今後、4人のドライバーにペナルティが科される可能性はありますか?
田辺 豊治
未来のことは誰にも分かりませんが、予期せぬアクシデントや故障はありません。我々としては4台に再びPUを投入する予定はありません。
Q:タナベさん、今年はもうこの場でお会いする事はないかもしれません。ホンダのエンジニアリング部門の責任者として、この7年間を振り返っていただけますか? 2015年からの進歩にはさぞかし満足されている事だと思いますが。
田辺 豊治
そうですね、このハイブリッド時代のF1への参戦は実際大変でした。数々の故障に見舞われましたし、信頼性の面でも、パフォーマンスの面でも難しい時期を過ごしました。ですが、そこから多くのことを学び、すべてをまとめ上げてきました。
今年はご存知の通り、ホンダF1にとって最後のシーズンです。満足している部分もありますが、幾つかの問題がありましたのでパフォーマンス面に関してはあまり満足しているとは言えません。
ですが、こうして7年間を振り返ってみると、成長できたと感じていますし、今シーズンの今の結果は本当に素晴らしいものだと思っています。
Q:タナベさんの次の目標はなんですか?
田辺 豊治
えー、、難しい質問ですね。先ほど申し上げたように、まだ4レースが残っていますし、依然として大きなチャレンジですから、まずはその事に時間を費やして、その後の事は終わってから考えたいと思います。
Q:レッドブル・パワートレインに参加したいと思っていますか?
田辺 豊治
答えても良いのかな?…いいえ(笑
Q:タナベさん、レッドブル・パワートレインズに参加しないとのことですが、ホンダがF1から撤退した後の計画については如何ですか?
田辺 豊治
これも同じ答えですが、今のところは何も考えていません。以上です。
Q:タナベさんは、かつてパワーと信頼性の面で強力なベンチマークであったメルセデスが、ほぼ毎週末にエンジンを交換している事をどう見ていますか?
田辺 豊治
頻繁にICEを交換しているのでかなり驚いています。実際のところ、何が起こっているのか、そしてなぜなのか、信じられません。
実際のところ私には何も分かりませんが、PUメーカーの立場からするとドライバーにPUペナルティが科せられるのはある種、残念な事だと思っています。
Q:タナベさんは、シルバーストンでのアクシデントがなければ、フェルスタッペンが3基のエンジンでシーズンを乗り切る事ができたと考えていますか?
田辺 豊治
そう信じています。