ホンダF1、再びメルセデスを撃破!今季5度目「パワーユニットも貢献できている」
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F1第8戦シュタイアーマルクGP決勝レースに挑んだホンダエンジン勢は、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が圧倒的なペースで2戦連続のポール・トゥ・ウインを飾り、チャンピオンシップでのリードを拡大。更にセルジオ・ペレスと角田裕毅が共に入賞を果たした事で3台がポイントを手にした。
シーズン8戦を終えてレッドブル・ホンダはイモラ、モナコ、バクー、ポールリカール、そしてレッドブル・リンクの5回の週末に渡って前年王者メルセデスを撃破。勝率を62.5%に引き上げた。なお去年の選手権を圧倒的強さで支配したメルセデスの勝率は76.4%だ。
今季型F1マシン「RB16B」は、前季型が課題としていたパフォーマンスの波を解消し、あらゆる種類のサーキットでライバルを上回る速さを見せつけているが、当然の事ながらその背景の一つにはホンダ渾身の最新パワーユニット「RA621H」がある。
ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターはこの日の勝利を「パーフェクト」と称して、英国拠点のHRD-UKを含めて、HRD Sakuraが生み出したホンダパワーユニットが勝利に「貢献できていると感じます」と語った。
また、ホンダF1の山本雅史マネージング・ディレクターは30年ぶりの4連勝という数字に触れて「偉大な先輩たちの背中が少し見えてきたような気がします」と述べ、マクラーレン・ホンダ黄金時代を偲んだ。
もう一台のRB16Bをドライブしたセルジオ・ペレスは、チーム代表のクリスチャン・ホーナーからの指示通り、10周目にランド・ノリス(マクラーレン)を交わして3番手に浮上。2番手を走るルイス・ハミルトン(メルセデス)にプレッシャーを与えるべく追撃を開始したものの、タイヤ交換の際のタイムロスで後退を余儀なくされた。
そこで終盤を前に2ストップ作戦にスイッチしてポジション奪還に挑んだが、0.527秒及ばず4位に終わった。田辺TDは「チームに貴重なポイントをもたらしてくれました」と労をねぎらった。
2戦ぶりのQ3進出を果たして予選8番手を獲得した角田裕毅は、ボッタスへの進路妨害による3グリッド降格ペナルティのために11番グリッドに並んだ。そのため自身が履くソフトより耐久性が高いミディアムタイヤを履くマシンに囲まれての難しい出だしを強いられたが、田辺TDが「激戦の中段グループの中で粘り強くレースを続けてくれた」と語るように、一貫して堅実なパフォーマンスを発揮。10位フィニッシュを果たして今季3度目のポイントを獲得した。
ルーキーの課題の一つはF1マシンでの各コースの経験値の少なさだが、来週は今回の3日間のイベントで走行距離を稼いだ同じレッドブル・リンクでのレースとなる。田辺TDは「また一つ学び、これから先につなげてくれると思います」と次戦以降への期待を示した。
一方でチームメイトのピエール・ガスリーは、1周目にシャルル・ルクレール(フェラーリ)との接触があり左リアタイヤがパンク。何も出来ないままにリタイヤを余儀なくされた。田辺TDは「残念」としながらも、ガスリーが週末を通して中団上位につける競争力を発揮していた事に触れて「来週のパフォーマンスに期待しています」と付け加えた。
休む間もなく1週間後には再び同じレッドブル・リンクで第9戦オーストリアGPが開催される。田辺TDは「各チームは今週のデータを見直してパフォーマンスアップを図ってくるはずです。我々も十分に今週の結果を見直して、再び力強いレースができるように準備を進めます」と述べ、5連勝に向けて気合を入れた。