空力性能改善のフェラーリが1-2、アルファタウリも上々…注目デ・フリースは僚友凌ぐ / F1スペインGP《FP1》結果とダイジェスト

最終コーナー側から見たカタロニア・サーキットのホームストレート、2022年5月19日F1スペインGPCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

シーズン6戦目となる2022年F1世界選手権スペインGPが5月20日にカタロニア・サーキットで開幕を迎え、日本時間21時から金曜1回目のフリー走行が行われた。

グランプリ一発目のセッションを制したのはシャルル・ルクレール。1分19秒828のトップタイムを記録した。2番手には1000分の79秒遅れでカルロス・サインツが続き、フェラーリが1-2発進を切った。

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カタロニア・サーキットを周回するスクーデリア・アルファタウリのカルロス・サインツ、2022年5月20日F1スペインGPフリー走行1にて

マラネロはバルセロナに新型フロアを持ち込みディフューザーを調整。車両全体の空力性能向上を目的としてリアコーナーにも変更を加えた。更にダウンフォース増強のためのリアウイングを持ち込んでいる。

過去2戦でフェラーリを打ち負かしたレッドブルは、マックス・フェルスタッペンがトップからコンマ3秒遅れの3番手。セルジオ・ペレスに代わってRB18のステアリングを握ったユーリ・ビップスは、僚友から3.974秒落ちの20番手最下位でグランプリデビューを終えた。

ゼロポッドの行く末が注目されるメルセデスはジョージ・ラッセルが4番手、ルイス・ハミルトンが6番手とミッドフィールド上位に並んだが、フロントランナーとの差はコンマ7秒以上と、まだまた大きい。

アップグレードの成果か、ポーパシングが改善されたようにも見えるが、マイアミでの一件があるだけに油断はできない。前戦では初日に最速を刻んだものの、2日目以降はポーパシングが悪化して後退。結局はいつも通りの位置でレースを終える事となった。

金曜の現地バルセロナは晴天に恵まれ、セッションは気温29℃、路面温度47℃のドライコンディションでスタートした。公式タイヤサプライヤーのピレリは最も硬いレンジのC1からC3までの3種類のコンパウンドを持ち込んだ。

ハースを除く全チームがアップグレードを投入。効果検証のためだろうか、ハードタイヤを履き、ピットストップを繰り返しながらロングランに取り組むマシンが目立った。エンジニアはFP2に向けて、タイヤ及びセットアップの方向性に関する分析作業に追われる事になる。

アルファタウリ勢はコース特性に合わせたリアウイングを持ち込んだのみでアップグレードがなく、厳しい週末が予想されるところだが、オープニングセッションではピエール・ガスリーが8番手、角田裕毅が10番手と、揃って有望なポジションにつけた。

母国レースを迎えるフェルナンド・アロンソはメルセデスの間に割って入る5番手タイムをマークした。ただしアルピーヌのチームメイト、エステバン・オコンはクルマの回頭性の悪さに苦戦して11番手でヘルメットを脱いだ。

アップグレードによって”緑のレッドブル”へと変貌したアストンマーチン勢は、ランス・ストロールが12番手、セバスチャン・ベッテルはエキゾースト周りと思われる問題に見舞われ走行時間を失い、16番手でクルマを降りた。

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アップグレードされたアストンマーチンAMR22でコースインするセバスチャン・ベッテル、2022年5月20日F1スペインGPフリー走行1

アストンマーチンに引けを取らない大々的な車体改良を行ったマクラーレンはランド・ノリスが7番手、ダニエル・リカルドが9番手と、以降のプラクティスが楽しみなパフォーマンスを記録した。

アルファロメオも大掛かりなアップデートを持ち込んだ。フィードバックを行うため周冠宇に代わってC42をドライブしたロバート・クビサは13番手、バルテリ・ボッタスは17番手タイムをマークした。

唯一、全く新しいパーツがないハースはケビン・マグヌッセンが14番手、ミック・シューマッハが15番手と仲良く並んだ。

若手走行枠を利用しアレックス・アルボンに代わってFW44のステアリングを握ったフォーミュラEチャンピオンのニック・デ・フリースは、ニコラス・ラティフィを1000分91秒上回る18番手タイムを刻んだ。

Courtesy Of Williams

ウィリアムズのレーシングスーツを着用したニック・デ・フリース、2022年5月19日F1スペインGP

2022年F1第6戦スペイングランプリ2回目のフリー走行は、日本時間5月21日(金)24時から1時間の日程で開催される。

2022年F1第6戦スペインGPフリー走行1(FP1)リザルト

Pos No Driver Team Time Gap Laps
1 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:19.828 27
2 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:19.907 +0.079 27
3 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・RBPT 1:20.164 +0.336 28
4 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:20.590 +0.762 28
5 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 1:20.768 +0.940 24
6 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:20.811 +0.983 27
7 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:21.279 +1.451 24
8 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・RBPT 1:21.422 +1.594 23
9 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 1:21.737 +1.909 23
10 22 角田裕毅 アルファタウリ・RBPT 1:21.814 +1.986 28
11 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:21.891 +2.063 26
12 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:21.920 +2.092 23
13 88 ロバート・クビサ アルファロメオ・フェラーリ 1:21.975 +2.147 20
14 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:22.089 +2.261 16
15 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:22.146 +2.318 21
16 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 1:22.164 +2.336 20
17 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 1:22.614 +2.786 25
18 45 ニック・デ・フリース ウィリアムズ・メルセデス 1:22.920 +3.092 28
19 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:23.011 +3.183 27
20 36 ユーリ・ビップス レッドブル・RBPT 1:24.138 +4.310 23

コンディション

天気晴れ
気温29℃
路面温度47℃

セッション概要

グランプリ名 F1スペインGP
セッション種別 フリー走行1
セッション開始日時

サーキット

名称 カタロニア・サーキット
設立 1991年
全長 4657m
コーナー数 14
周回方向 時計回り

F1スペインGP特集

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