計時抹消とクラッシュの原因は同じ?口を揃えるルクレールとサインツ…フェラーリ痛恨のトップ8圏外
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カルロス・サインツがクラッシュを喫し、シャルル・ルクレールがタイム抹消となったことで、スクーデリア・フェラーリは2024年9月21日のF1シンガポールGP予選で、2台揃ってQ3ノータイムという悪夢のような結末を迎えた。
サインツは最初のアウトラップの最終コーナーでコントロールを失い、バリアに衝突したことで赤旗の原因を作った。
15分ほどの中断を経てセッションが再開されると、ルクレールはターン2のトラックリミットによりラップを抹消された。ただ、抹消されていなくとも7番手という結果だった。
特に、ポール争いが有力視されたルクレールのフラストレーションは明らかだった。2人のドライバーは、タイヤが適正な作動温度領域になかったことが原因だと口を揃えた。
Q3でのペース不足は予想外だったか?との質問に対してルクレールは、言葉少なげに「何よりも温度不足が原因だ」と説明した。
「ガレージを出た時点でフロントタイヤが冷えすぎていた。それで最初のコーナーに到達した際にロックアップしてしまった」
「何が起きたのか、まだ答えはない。チームの方も分かっていない。今日はそのせいで代償を支払った。原因を究明する必要がある」
レースエンジニアのブライアン・ボッツィはルクレールに対し、フロントタイヤの温度が「やや低め」だと伝えた。ルクレールはアウトラップでプッシュして必要な熱をタイヤに入れようと試みたが、時、既に遅しだった。
問題の原因が特定できていない状況は、日曜のレースに向けて大きな懸念材料になるかと尋ねられるとルクレールは、「いや、心配はしていない。でも、原因を見つけ出さきゃならない」と返した。
クラッシュについてサインツは「かなり奇妙だった」としつつも、グリップレベルを見誤った自身のミスであると認めた。
「タイヤの温度がかなり低くて、そのグリップを見誤ってしまった。最終セクターで何台かのクルマを先に行かせたために、かなりアクセルを緩めることになった」とサインツは語る。
「タイムを失わないよう、ここはラップを始める直前からスピードを上げていかなきゃならないけど、ターン17のバンプを越えると、今週末のそれ以前のどのラップと比べてもグリップが全くなかったんだ」
「ヒヤッとしたよ。最初は立て直せると思ったんだけど、結局スナップしてしまった。本当に残念な酷いアクシデントだった。チームにも皆にも申し訳なく思ってる。こんな形で予選を終わらせたくはなかった」
「同時に、今週末は温度という点で、タイヤを適切なコンディションに持っていくのにかなり苦労した。今日はそれが悪い形で出てしまった」
サインツはルクレールに次ぐ9番手で予選を終えたが、クルマの修復の過程でスペック違いのパーツが必要になるなどした場合、ピットレーンからのスタートを命じられる可能性もある。
フレデリック・バスール代表は、マリーナベイ市街地コースでの昨年の勝利と今週末の好調なペースを引き合いに出し、「おそらくこれまでのシーズンの中で一番悔しい結果だ」と肩を落とした。
2024年F1シンガポールGP予選ではランド・ノリス(マクラーレン)がポールポジションを獲得。2番手にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手にルイス・ハミルトン(メルセデス)が続く結果となった。
決勝レースは日本時間9月22日(日)21時にフォーメーションラップが開始され、1周4,940mのマリーナベイ市街地コースを62周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。