元フェラーリのF1エンジン責任者、間もなくメルセデスでの仕事を開始か?

フェラーリのF1マシンcopyright ferrari.com

昨年の夏、フェラーリのセルジオ・マルキオンネCEOの手によって解雇されたロレンソ・サッシは、間もなくメルセデスでの仕事を開始する。複数の欧州メディアが報じた。サッシは、2017年の跳ね馬パワーユニットの礎を築いた前チーフエンジニア。手掛けたエンジン「フェラーリ 062」は、度々メルセデスを脅かすレベルの成果を挙げた。

フェラーリ離脱に際してはチームから何らの発表もなかったため、フィアットグループ内、特にアルファロメオに異動したのではとも囁かれたが、ガーデニング休暇を経てライバルチームに移籍したようだ。サッシはアンディー・コーウェルの部下として、メルセデスのパワーユニット製造拠点であるブリックスワースに勤務するものとみられる。

「フェラーリ 062」の予選モードは、しばしばメルセデスを打ち負かしポールポジションを得るに足るパフォーマンスを示していた。それだけに、サッシの移籍はシルバーアローが好敵手の戦力にダメージを与えるという点で極めて有効的な”攻撃”となり得る。F1においては、人材がパフォーマンス与えるウェイトは相当に大きい。

近年、フェラーリからの人材流出が度々大きな注目を集めてきた。ミハエル・シューマッハ黄金期を支えたデザイナーであるアルド・コスタは2012年に、1990年代のフェラーリと2000年代のルノーのタイトル獲得に大きな貢献を果たしたジェイムズ・アリソンは2016年にメルセデスに移籍した。

メルセデスは過去4シーズンに渡ってこのゲームを支配しているが、フェラーリやレッドブルとの性能差は年々近接してきている。今年はタイヤコンパウンドが一新され、全体としてメルセデスが苦手意識を持つソフトよりに硬さがシフトする。ライバルの戦力にダメージを与えたとは言え、メルセデスの性能向上曲線は収束しつつあり、今年はこれまで以上の接戦が予想される。

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