F1サンパウロ「スタート中断無視事件」の裁定を公表、角田裕毅を含む4名召喚で2名に処分

スタート直後のターン1でランド・ノリス(マクラーレン)を交わしてトップに躍り出たジョージ・ラッセル(メルセデス)、2024年11月3日(日) F1サンパウロGP(インテルラゴス・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

F1サンパウロGPのスチュワードは2024年11月3日の決勝レースを経て、スタート中断の合図を無視したとして、ジョージ・ラッセル(4位)、ランド・ノリス(6位)、角田裕毅(7位)、リアム・ローソン(10位)の4名を召喚した。

5台がチェッカーフラッグを受けず去ったこの日のレースは、開始前から混乱に見舞われた。

ランス・ストロール(アストンマーチン)が予選に続き、フォーメーションラップのターン4でバリアに衝突したため、レースコントロールはレースの開始手続きを中断した。

中断を知らせるライトパネルが点灯し、「ABORTED START」のボードが提示され、システムを通じて各チームに対しても、その旨が通知されたにも拘らず、グリッドの先頭に並んでいた4名のドライバーは、クルマを発進させてグリッドを離れた。

これを受けてレースディレクターは、エキストラ・フォーメーションラップなしに全てのクルマが再びグリッドに着くのは不可能だと判断し、グリッドに停車していた他の14台に対して、追加で1周するよう指示を出した。

結論としては、3番グリッドの角田裕毅と5番グリッドのローソンはお咎めなしとされた。

ジョニー・ハーバートを含む4名の競技審判団は、競技規則第47条1号に違反したことは確かだとしつつも、最前列の2台が発進したために、これに釣られただけであり、主たる責任はないと結論付けた。

一方で、最前列に並んだノリスとラッセルには、戒告処分(ドライビング)に加えて5,000ユーロ(約82万7,000円)の罰金が科された。

スチュワードによると二人は、エキストラ・フォーメーションラップが行われると勘違してグリッドを離れ、「後続のドライバーに同様の行動を取らせるきっかけ」を作った。

この混乱の結果、本来は不要なエキストラ・フォーメーションラップが発生したことで、レースは規定周回数より2周短い69周で争われることとなった。

競技的ペナルティを科さなかった今回の決定はパドックで物議を呼ぶかもしれない。前戦メキシコGPではセルジオ・ペレス(レッドブル)がスタートの際、ストップ位置をはみ出したとして5秒ペナルティを受けた。今回の一件はレースに対して、これより遥かに大きな影響を与えた。

F1競技規則はスタート中断手続きに違反した場合の具体的なペナルティを定めていないため、今回のペナルティはスチュワードの裁量によるものと思われる。

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