ホンダF1、ダブル入賞も優勝のチャンス逃す”悔しいレース”に「最終戦に向けて全力尽くす」と田辺TD

2020年F1サクヒールGP 決勝レーススタート直後のホームストレートcopyright Red Bull Content Pool

F1第16戦サクヒールGP決勝レースに挑んだホンダF1パワーユニット勢は、オープニングラップでエースドライバーを失うなどフラストレーションの溜まる展開を強いられ、ダブル入賞に留まる結果となった。

3番グリッドのマックス・フェルスタッペンは、ミディアムタイヤを履いた最前列のメルセデス勢に対し、ソフトタイヤのアドバンテージを活かして好スタートを切ったものの、ターン1で行き場をなくし一旦手を引いた。

その後のターン4で前を狙ったが、セルジオ・ペレス(レーシングポイント)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)が接触。回避行動を取ったもののグラベルへ飛び出し、左フロントからウォールに衝突してリタイアを強いられた。その後の展開を考えれば、生き延びていれば優勝の可能性は極めて高かった。

クルマを降りたフェルスタッペンはルクレールに対して激怒。スチュワードはルクレールに非があるとして、グリッド降格ペナルティと罰則ポイントを科す裁定を下した

アルファタウリ勢は共にソフトを履き、ダニール・クビアトが6番グリッド、ピエール・ガスリーが9番グリッドからスタート。1周目の混乱を避けてそれぞれ5番手と7番手にポジションを上げる順調な出だしを見せたが、度々のセーフティーカーとVSCに翻弄され、1ストップ勢にアドバンテージを奪われる格好となり、クビアトが7位、ガスリーが11位でフィニッシュした。

ミディアムを履き12番グリッドに着いたアレックス・アルボンはペースが上がらず、2セット目にハードタイヤを装着。ジャック・エイトケン(ウィリアムズ)のクラッシュにより導入されたセーフティカーを味方に付けソフトタイヤに交換すると、ダニエル・リカルド(ルノー)の後方6番手でチェッカーフラッグを受けた。

ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは87周に及んだ長き戦いを終えて「全体として悔しいレース」と評し、1週間後に控えるヤス・マリーナ・サーキットでのシーズン最終戦に向けて「全力を尽くしていく」と誓った。

Honda F1:ダブル入賞も優勝逃す”悔しいレース”

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

波乱含みとなった今日のサヒールGP決勝は、レッドブル・レーシングのフェルスタッペン選手が、オープニングラップでクラッシュに巻き込まれてリタイアとなるなど、全体として悔しいレースになりました。

レッドブル・レーシングのアルボン選手は12番グリッドから6位まで順位を上げましたが、本人も満足いくレースではなかったと思います。

また、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのクビアト選手は金曜から速さを見せていただけに、セーフティカーの影響などもあっての7位フィニッシュは残念な結果だと感じています。

ガスリー選手にとっても難しいレースとなり、なかなかペースが上がらず入賞を逃して11位でレースを終えました。

来週はいよいよシーズン最終戦です。気持ちを切り替えて良い結果でシーズンを締め括れるよう最後まで全力で臨みます。

また、今回のレースで初優勝を果たしたセルジオ・ペレス選手とダブルポディウムを獲得したレーシングポイントのみなさんに祝福の言葉を贈りたいと思います。


現地12月7日(日)にバーレーン・インターナショナル・サーキットのアウタートラックで行われた2020年F1第16戦サクヒール・グランプリ決勝レースでは、5番グリッドからスタートしたセルジオ・ペレス(レーシングポイント)が190戦目にして初優勝を飾り、2位にエステバン・オコン(ルノー)、3位表彰台にペレスの僚友ランス・ストロールが滑り込む結果となった。

F1サクヒールGP特集

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