サインツ、マーシャル回収中の「危険」な再始動でF1サンパウロGP処分…1日で2度クラッシュと精彩欠く
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F1サンパウロGPのスチュワードは2024年11月3日の決勝を経て、レース中にクラッシュした後に「潜在的に危険な状況」を招いたとして、カルロス・サインツ(フェラーリ)に戒告処分(ドライビング)を科す決定を下した。
サインツが40周目のターン8で単独スピンを喫してバリアに激突したことで、この日、2回目のセーフティーカー(SC)SCが導入された。
現場に急行したマーシャルがマシンの回収に着手した際、サインツはステアリングホイールを外してクルマを降りる準備を進めていたが、「クルマはまだ走行可能」とのチーム無線を受け、ステアリングを再度、取り付けた。
マーシャルが車両回収用のループをクルマのロールフープに通している最中、サインツはクルマを動かした。ジョニー・ハーバートを含む4名の競技審判団は、「潜在的に危険な状況が生じた。これはドライバー個人によって回避可能なものだった」と指摘した。
レース後の聴聞会の中でサインツは、「マーシャルが回収作業を始めたことに気づいていなかった」と釈明した。一方で、ステアリングを取り外すことは、クルマを降りるとの「明確な意思表示」であると認めた。
最終的にサインツはレース続行を諦め、クルマを降りてリタイヤした。
メキシコGPでの圧倒的な勝利から1週間。インテルラゴスでのサインツは予選と決勝の両方でクラッシュを喫した。ほんの数時間の間の出来事だった。
「2回のクラッシュについては正直、どうしてこうなったのか上手く説明できない」とサインツは語った。
「今年のクルマはウェットコンディションで本当に予測が難しく、ドライブするのが、とてつもなく難しいんだ」
「2度にわたるミスで迷惑をかけたことをチームに謝罪したい。とは言え、スタートポジションの関係上、大量ポイントが見込める状況でもなかったから、切り替えて次戦でもっと上手くやれればと思ってる」
1シーズン中に5回の戒告処分を受けると、当該ドライバーにはその競技会で10グリッド降格ペナルティが科せられる。ただし、処分5回の内の4回がドライビングに関する違反であった場合に限られる。
レース中のインシデントにより5回目の戒告処分を受けた場合は、次戦で10グリッド降格となる。
2024年F1第21戦サンパウロGPでは、17番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が逆転優勝を飾り、2位にエステバン・オコン、3位にピエール・ガスリーが続き、アルピーヌがW表彰台に上がる結果となった。
ラスベガス市街地コースを舞台とする次戦ラスベガスGPは、11月21日のフリー走行1で幕を開ける。