トロロッソ、Hondaのスペック3に確かな手応え「全ての面においてポジティブ」
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スクーデリア・トロロッソの主任レースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズは、ホンダがロシアGPに持ち込んだ最新版パワーユニット”スペック3″は、あらゆる点においてポジティブだとの見解を示した。
パワーユニットの性能評価の項目には、信頼性や出力、ドライバビリティなど様々なものがあるが、エドルズによればスペック3エンジンはその全ての面において良好な成果を上げているという。
トロロッソ・ホンダ勢は28日(金)のF1ロシアGPの2回目のフリー走行でピエール・ガスリーが堂々の8番手タイムをマーク。中団グループ最速の7番手を記録したフォース・インディアに1000分の15秒差という印象的な速さを見せた。
スペック3投入によって大きなパフォーマンスを得た反面、日曜の決勝レースではグリッド降格が科せられるため、チームは予選よりも決勝にフォーカスして作業に従事。ガスリーのマシンは予選用に最適化されておらず、8番手タイム以上のポテンシャルを秘めているのは疑いない。
エンジンのアップグレード単体でこれ程までにパフォーマンスが上昇する事は考えにくく、初日の結果はマシン側の改善との相乗効果と見るべきだが、その点を差し引いて考えても、ホンダが満を持して投入した最新型のエンジンは予想以上に有望と言えそうだ。
ホンダのスペック3はあらゆる面でポジティブ
ジョナサン・エドルズチーフレースエンジニア
パワーユニット交換の影響で、今週末はグリッド降格ペナルティーを受ける事が予め分かってたから、今回はそれに沿った計画を立ててたんだ。決勝はグリッド後方からのスタートになるから、今回のレースウイークは予選というよりもロングランやレースペースを重視して取り組んでいる。
新しいエンジンで実際のサーキットを走行するのは今回が初めてだから、パフォーマンスを引き出すために微調整やキャリブレーションを行ってセッティングの最適化に取り組んだんだが、その結果FP2の終盤には上手くまとめる事が出来たように思う。新しいPUはすべての面において良さそうだ。ホンダには感謝しかないね!
© Getty Images / Red Bull Content Pool、ソチ・オートドロームのターン3を通過するトロロッソ・ホンダ
FP1では空力とリアタイヤに関するテストを幾つか行いつつ、実際の走行とダイナモとの相関性を向上させるためのデータ収集に励んだ。問題なくプログラムを終える事が出来たし、結果にも手応えを感じている。ただし、FP1ではコース上が埃っぽくてグリップ力が低く、マシンバランスがかなりナーバスだったせいで、セッション終了までに完璧なバランスを引き出す事が出来なかった。
マシンのバランスとグリップの問題を解決するために、FP1とFP2の間にトラックエンジニアとオペレーションルームのエンジニアが協力してセットアップを検証してくれた。その結果見つかった解決策の中の一つに、ブレンドンがFP1でフロアに問題を抱えていた事が分かり、スペアに交換する事にしたんだ。FP2の結果を見ると上手く作用してくれたみたいだ。
ペナルティーを受けるし今回はハイパーソフトを多くチョイスしていたから、 FP2では2セットのハイパーソフトをショートラン用として使う事が出来た。マシンは予選用のセットアップじゃなかったんだけど、悪くないパフォーマンスだった。まだまだ引き出せる余地があるって事だ。
ロングランでは2台のマシンでタイヤを分ける事にした。ソフトタイヤを履いたブレンドンの方はかなり競争力があったし、保ちも良さそうで手応えを感じたよ。その一方でピエールはウルトラソフトを履いたんだが、こちらについては改善しなきゃならない点が多いね。
総合的に言えば、我々の今のパッケージは良いポジションを得られるだけのポテンシャルがあるようだし、今週末の残りの結果にも期待してるよ。
初日をトップで締め括ったのはソチ・オートドローム4連覇中のシルバーアローの2台。ルイス・ハミルトンがトップタイムを記録し、バルテリ・ボッタスが2番手に続いた。
3番手にはレッドブルのマックス・フェルスタッペン。チャンピオンシップで後がないフェラーリは新型フロントウイングを投入するも、セバスチャン・ベッテルが5番手と冴えない結果に終わった。
F1ロシアグランプリ3回目のフリー走行は、日本時間9月29日(土)18時から19時まで、公式予選は同21時から1時間に渡って行われる。