ホンダF1、トップ10発進もFP2で失速「車体・パワーユニット双方の最適化に取り組む」と田辺TD
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9月25日(金)の2020年F1第10戦ロシアGP初日プラクティスを振り返ったホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは、「ポジション的にはあまり良い結果が得られなかった」として、予選と決勝が控える2日目以降に向けて、車体・パワーユニット(PU)双方の最適化に取り組んでいく考えを明らかにした。
ロシアGPの初日金曜日に先駆け、ホンダF1はAston Martin Red Bull Racingのマックス・フェルスタッペンと、Scuderia AlphaTauriのピエール・ガスリー、ダニール・クビアトの計3台のマシンに、今季3基目となる新たなICE(内燃エンジン)、ターボチャージャー、MGU-H、MGU-Kを投入した。
これは年間のPU運用スケジュールに沿ったものであり、ホンダは「ムジェロでのトラブル等との関連性はない」と説明した。ホンダ製F1パワーユニットを搭載するRB16は、エンジンモード制限が導入されたイタリアGP以降の過去2戦連続でトラブルに見舞われ、フェルスタッペンが2戦連続でリタイヤを喫している。
週末の幕開けとなったFP1では赤旗とバーチャル・セーフティーカーが導入されるなど、クリーンなセッションとはならなかったが、フェルスタッペンが力強い走りで3番手をマークすると、クビアトは最終コーナーでスピンをしながらもホームレースの一発目のプラクティスで7番手を記録。0.024秒差でアルボンが8番手に、そしてガスリーが10番手に続き、全4台がトップ10発進を決めた。
ところが、続くFP2ではライバルのインプルーブに対して改善幅が限定的となった事もあり、タイムシート的には奮わないセッションとなった。
マクラーレンとルノーが印象的な速さを示した事で、本来であれば最低でも3番手を争うべきレッドブル・ホンダ勢は中団グループに飲まれ、フェルスタッペンはレーシングポイントのセルジオ・ペレスに0.158秒届かず7番手に甘んじ、アレックス・アルボンは12番手と大きく遅れた。
アルファタウリも期待したほどC5コンパウンドでのラップタイムが伸びす、ガスリーが11番手、クビアトが13番手でクルマを降りた。とは言えこれはミッドフィールドが接戦となった影響も大きく、7番手フェルスタッペンから11番手ガスリーまでは僅か0.162秒と非常に接近した。
順位 | ドライバー | チーム | タイム | 差 | 周 |
---|---|---|---|---|---|
7 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:35.048 | +1.529 | 30 |
11 | ガスリー | アルファタウリ | 1:35.210 | +1.691 | 35 |
12 | アルボン | レッドブル | 1:35.242 | +1.723 | 31 |
13 | クビアト | アルファタウリ | 1:35.461 | +1.942 | 37 |
車体・パワーユニット双方の最適化に取り組む
田辺 豊治ホンダF1現場責任者
ヨーロッパ大陸を離れての初のフライアウェイ・レースとなるロシアGPの初日が終了しました。今日は大きな問題もなくスムーズな一日で、2チーム4台のマシンで多くのラップを重ねることができました。
滑りやすい路面やセッション中のトラフィック、マシンバランスが決まり切っていない事などの影響で、ポジション的にはあまり良い結果を得られませんでしたが、これより集めたデータを解析して、車体・パワーユニットの双方を最適化し、明日以降のセッションに向けた準備を進めていきます
初日はメルセデスAMGのバルテリ・ボッタスが2セッションで最速を刻み、FP2では2番手にハミルトン(メルセデス)、3番手にはダニエル・リカルド(ルノー)が続く結果となった。
F1ロシアグランプリ3回目のフリー走行は日本時間9月26日(土)18時から、公式予選は同21時から1時間に渡ってソチ・オートドロームで開催される。