FIAは”ガイドライン”に従ってペレスとの一件を裁かなかった、と不満のラッセル
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F1フランスGPでのセルジオ・ペレス(レッドブル)との一件についてジョージ・ラッセル(メルセデス)は、国際自動車連盟(FIA)がガイドラインに則って審議しなかったとして不満をあらわにした。
ラッセルは42周目のミストラル・シケインで4番手を走行するペレスに仕掛けた。イン側に飛び込んだラッセルは勢い余ってアウト側のコース端まで行き、ペレスはシケインを通過せずにコースに戻り4番手をキープした。
最終的にラッセルは、パワーユニットのトラブルに見舞われ停車した周冠宇(アルファロメオ)を理由とする終盤のバーチャル・セーフティーカー(VSC)導入を経てペレスをパス。3位でフィニッシュしたものの、一件について「本当にガッカリした」と語った。
「あれは僕のコーナーだったと思ってる。僕はイン側にいて、前輪は彼の後輪の前にあったんだ。ルールに則れば、あれは僕のコーナーだった」
「彼は僕を縁石の方に向けて少し寄せてきて、その後、コースを離れてポジションをキープした」
「ルールはかなり明確だ。自分のフロントタイヤが相手のリアタイヤより前に出ていれば、そのコーナーの権利を得る事ができる」
2021年のブラジルGP及びアブダビGPでのホイール・トゥ・ホイールで、マックス・フェルスタッペンがルイス・ハミルトンを2度に渡ってコース外に追いやったとする論争を受けFIAは、スチュワードの裁定基準を示したガイドラインをドライバーに提示した。
これには、仕掛けられる側(ペレス)が追い抜きを仕掛ける側(ラッセル)にスペースを与えなければならない場合の条件に「車体の大部分が横並び」である事が挙げられている。
またオーバーテイクの際の動きは、クルマがコース内に留まった上で「安全かつコントロール」されたものでなければならないと記されている。
ラッセルが自らの動きの正当性を訴えた一方でペレスは、シケインをカットしたのはクラッシュを避けるためのやむを得ない措置だったと主張した。
「もし僕がコーナーをカットしていなかったら2台ともリタイアしていただろうね。僕の方が前にいて、彼の方はクルマのコントロールを失っていた」
「だから僕としては逃げる他なかったんだ。シケインを横切らなきゃ接触していたはずだ」
F1スチュワードはこの件を記録したものの審議は行わず、いずれに対しても処分が下される事はなかった。