フェルスタッペンの鮮烈さはミハエル・シューマッハを思い起こさせる、とロス・ブラウン
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かつてミハエル・シューマッハと共にフェラーリ黄金時代を築き上げたロス・ブラウンは、70周年記念GPで鮮烈な勝利を収めたレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンに、7度のF1ワールドチャンピオンに通ずる何かを見ている。
ロス・ブラウンはテクニカル・ディレクターとして、1994年と1995年のベネトン時代、そして2000年からの5連覇を果たしたフェラーリ時代と、シューマッハが持つ7回全ての世界タイトル獲得に大きく貢献し、2010年にはメルセデスのチーム代表としてシューマッハに現役復帰を決断させた。
8月9日に行われたシルバーストンでの第2レースでフェルスタッペンは、4番グリッドながらも、フロントロー独占から優位にレースを進めようとしたメルセデスの2台がブリスターに苦戦している様子を察知するや否や追撃モードにチェンジ。今年初めて訪れたチャンスをモノにして今季初優勝を飾り、過去4戦に渡って続いてきた今シーズンにおけるメルセデスの支配に終止符を打った。
これによりフェルスタッペンは、最強マシンの一台を駆るバルテリ・ボッタスを抜き去り、ドライバーズランキングで首位のルイス・ハミルトンに次ぐ2位に浮上した。
2017年よりF1のスポーティング・ディレクターを務めているロス・ブラウンは「シルバーストンでのマックスは、ただただセンセーショナルだった。彼は多くの点で私にミハエル・シューマッハを思い出させる。彼のラジオからは、彼が明らかに余裕を持っていた事が感じられる」と語った。
「私は彼の無線での会話が大好きだ。特にチームからタイヤをマネジメントするよう頼まれた時に『おばあちゃんみたいな運転はしたくない』と言っていたのが印象的だった。これは彼が持つ自信の大きさとチームとの関係性を示している」
レッドブル・ホンダの今季型F1マシン「RB16」は、安定的なダウンフォースを発生させる事ができず、空力的に大きな問題を抱えていると見られる。これは2人のドライバーが時折派手なスピンを喫し、数々のステアリング修正を余儀なくされている事からも伺えるが、特にアレックス・アルボンは手を焼いており、予選でのフェルスタッペンとのギャップは注目に値するほど大きい。
ロス・ブラウンは「マシンの限界はマックス・フェルスタッペンの限界ではない」と説明する。
「彼はマシンの繊細さを感じ取ることができ、完璧に反応することができる。私はF1での初期の頃のマックスが鮮やかなスピードを示していた事を覚えているが、今や彼は桁外れのレーシングドライバーに成長した」
振り返ればシューマッハが1994年のタイトルを獲得した時、フェルスタッペンの父ヨスは計10戦で後の皇帝のチームメイトを務めたが、その内の6戦でリタイヤを喫し、シューマッハがシーズン8勝を挙げた一方で最高成績3位に終わった。