ホンダがトップ8を席巻「数年前には考えられなかった事態」とロス・ブラウン
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F1のマネージング・ディレクターを務めるロス・ブラウンは、ホンダ製F1パワーユニットを搭載する4台全てがトップ8フィニッシュを果たした事について「以前には考えられなかった」とした上で、成功に向けたホンダの懸命の努力が報われつつあるとの認識を示した。
26日に行われたモンテカルロ市街地コースでのレースでは、ホンダパワー全4台が予選トップ10グリッドを獲得。その勢いは決勝でも衰えることなく、マックス・フェルスタッペンが4位、ピエール・ガスリーが5位、ダニール・クビアトが7位、アレックス・アルボンが8位フィニッシュを果たし、4台全てが入賞を飾った。
モナコで入賞したのはフェラーリPU勢が2台、メルセデス勢が2台、そしてルノー勢が2台。ホンダは高いドライバビリティが要求されるモナコで、4つのエンジンマニュファクチャラーの中でトップ10圏内最大勢力の地位を築いた。
ホンダ製F1エンジンを搭載する4台のマシンがトップ10入りしたのは1991年以来初めてであり、4台揃っての入賞を果たしたのは、ウィリアムズとロータスに供給していた1987年のイギリスGP以来、32年ぶりの事であった。
「モナコグランプリでは、上位8位にホンダのパワーユニットを搭載した4台のマシンが食い込んだが、数年前にはこのような結果は考えられなかった」とロス・ブラウン。「昨年のトロ・ロッソとの”婚約”に続いて行われたレッドブルとの”結婚”が実を結び始めている」
確かにホンダは開発で進化を遂げ、レッドブルとトロロッソも車体側を改善し、パッケージとして競争力を増しているが、ロス・ブラウンはドライバーの腕と戦略も見過ごせないと指摘する。
「(ホンダが成功するか否かの)大部分はミルトン・キーンズのチームの肩にかかっているが、ファエンツァの姉妹チームの貢献も非常に重要だ。さらに、両チームには経験レベルが異なる若いドライバー達がおり、非常に競争力があることを証明している」
「フェルスタッペンは言わずもがな、トロロッソからやってきたピエール・ガスリーはレッドブル・レーシングでも急速に成長しつつあり、ダニール・クビアトは一年間の休みを経て再び脚光を浴びるべく粘り強く頑張っている。だが、今年の3人のルーキーの中で最も成功を収め、最も大きなサプライズだったのはアレクサンダー・アルボンだ」
「タイ人ドライバーは今回のモナコで、速いだけでなく賢い事を証明してみせた。特にタイヤマネジメントに関しては素晴らしく、予選で使用した中古のソフトタイヤで問題なく40周以上も走ってみせた」
「21周目というかなり早い段階でハードタイヤへとスイッチしたチームメイトのクビアトもそうだが、チームの戦略も素晴らしかった。2つの異なる戦略によって、トロロッソは二人のドライバーに快適な旅を授け、目標としていたダブルポイントを達成したのだ」