ロス・ブラウン、F1改革案に関連し「私利私欲ではなく大局的な視点で議論すべき」とフェラーリを牽制

2013年F1ハンガリーGPで勝利したルイス・ハミルトンと共に表彰台に上がるロス・ブラウンcopyright Pirelli

F1バーレーンGP初日6日(金)に発表された2021年以降のF1改革案に関連し、フォーミュラ1のモータースポーツ部門を率いるロス・ブラウンは、チームに対して、私利私欲ではなく開かれた視点で提案内容を検討すべきだと訴えた。

リバティ・メディアによって示された案では、現行規約と商業規定が満了を迎えた21年以降のF1のビジョンが語られ、パワーユニット、コスト、分配金、レギュレーションの4点についての提案が行われた。参考: F1、2021年以降の計画案を発表

ブラウンは英スカイF1のインタビューに対して「F1がどうあるべきかという将来像については内輪的な観点ではなく、開かれた視点で語る必要がある。チームの思惑から離れて見極めるべきだ」と主張、大局的な視点での議論を呼びかけフェラーリを牽制した。

フェラーリのセルジオ・マルキオンネ会長は、リバティ・メディアが昨年打ち出した新時代のF1構想に強く反発しており、F1からの撤退も辞さないとの強硬的な姿勢を見せている。

先ずはチームとの議論を行いたいとして、ブラウンは個々の提案内容についてのコメントを拒否したものの、改革案が目指すのはF1の更なる発展であり、全ての利害関係者の発展を約束するものだと説明した。

「アイデアをチームに伝え、慎重に検討する事を求めた。我々はこのスポーツをより良くしたいと考えている。目指しているのは持続可能なビジネスにすることであり、より競争できるマシンを用意する事だ」

「収益モデルは刷新される。我々はコスト上限案を議題に上げる事にした。これまで以上に白熱したレースと、チームにとってより魅力的なビジネルモデルが見いだせると思う」

フェラーリを筆頭に、メルセデスやルノーもリバティ・メディアが掲げるF1の将来像に批判的なスタンスを示してきた。ブラウンは、提示された内容はあくまでも”案”の一つであるとして、今後チームからの要望と意見を取り入れつつ、柔軟に対応していくと述べた。

骨子ではフェラーリだけが持つ拒否権や分配金の特別枠など、一部チームに与えられた特権的仕組みの見直しを仄めかす内容も含まれていたが、ブラウンはこれについての明言を避け、フェラーリはF1に必要な唯一無二のチームであると述べるに留めた。

「議論すべき話題だが、現時点で私がコメントするのは公平とは言えないだろう。フェラーリにはF1に留まって欲しいと考えている。彼らは歴史ある偉大なチームであり、彼らがF1でその歴史を紡ぎ続けられる様に、あらゆる策を検討したいと考えている。フェラーリが撤退する事になれば悲劇だよ」

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