レッドブル「暗黒時代」と「パニック」の可能性を指摘する声、タイトル争い逆転待ったなしか

ガレージ内で走行の準備をするマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2024年8月31日(土) F1イタリアGP FP3(モンツァ・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

マックス・フェルスタッペンをしてコンマ7秒遅れの7番手に留まったF1イタリアGP予選を受けて2016年のF1王者ニコ・ロズベルグは、現在のレッドブルが置かれた状況を「暗黒時代」と形容し、あっという間に「パニックに陥る」可能性もあると指摘した。

コンストラクターズ選手権で急速にレッドブルとの差を縮めるマクラーレンは、ランド・ノリスがポールを獲得し、2番手にオスカー・ピアストリが続いた。一方でレッドブルはフェルスタッペンが7番手、セルジオ・ペレスが8番手と、マクラーレンはおろか、フェラーリとメルセデスにも全く太刀打ちできなかった。

英Sky Sportsで解説を務めるロズベルグにとってモンツァでのこの日の結果は、完全に予想外の「現実離れ」したものだったが、初日を終えた段階で楽観的な見通しを示していたヘルムート・マルコの発言を踏まえると、これはレッドブルにとっても想像を超える最悪の結果だったはずだ。

「ショッキングだ。フェルスタッペンがこの位置だなんて信じられない」とロズベルグは語った。

「今週末、タイヤに何が起きているのかを彼らが理解していないのは間違いない。暗黒時代だ。マックスも理解できていないし、全てが彼らから離れていっている」

「これは本当に予想外だ。現実離れしている。相当に厳しい状況だ。あっという間にパニックに陥る可能性もある」

少なからず改善の道筋が見えているのであれば、レッドブルが「パニック」に陥る可能性は高くはないだろうが、現実は異なる。

数戦に渡って続く一貫性を欠くバランスとアンダーステア、そして予測不能な挙動を解決すべくレッドブルは、前戦オランダGPで異なる2つの仕様のフロアを使って実験的な試みに取り組んだものの、クリスチャン・ホーナー代表は現時点で問題の原因を「全く理解できていない」と認めた。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

マックス・フェルスタッペンがドライブするレッドブルRB20のリア、2024年8月31日(土) F1イタリアGP予選(モンツァ・サーキット)

フェルスタッペンは現在、5戦連続で勝利から遠ざかっている。これは2020年以来最長で、前戦オランダGPではノリスに23秒もの大差をつけられ完敗したばかりだった。

両チームが日曜のレースをスタートポジションでフィニッシュした場合、マクラーレンはレッドブルに代わって3ポイント差でコンストラクターズ選手権首位に立つことになる。また、フェルスタッペンのリードは51ポイントにまで低下する。レッドブルが状況を好転させられない限り、逆転は時間の問題と言える。

「両方のチャンピオンシップが手から滑り落ち始めている。ドライバーズ・チャンピオンシップでさえもだ」とロズベルグは指摘する。

「もしこの状況が変わらなければ、あっという間に遠のいてしまうだろう」


2024年F1イタリアGP予選ではランド・ノリスがポールポジションを獲得。2番手にオスカー・ピアストリが続き、マクラーレンがフロントロウを独占した。

決勝レースは日本時間9月1日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周5,793mのモンツァ・サーキットを53周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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