F1予算超過を巡りライバルはレッドブルの「絞首刑」を望んでいた、とFIA会長ベン・スレイエム
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F1統括団体のモハメド・ベン・スレイエム国際自動車連盟(FIA)会長は、予算超過を犯したレッドブルに対して一部のライバルチームが「絞首刑」を望んでいたと述べ、より厳格なペナルティを要求する声があったと説明した
2021年のコストキャップ違反を受けてFIAは、レッドブルに対して700万ドル(約9億7,558万円)の罰金と、空力開発テスト時間10%減という金銭プラス競技の複合ペナルティを科した。
これに対してレッドブルは、1周あたりコンマ5秒に相当し得るものだとして「非常に厳しい」との認識を示したが、メルセデスやフェラーリを含む選手権を争うライバルの中には納得できないとして不満を示す者もあった。
RacingNews365によるとベン・スレイエム会長は「彼らの中には絞首刑を望む者もおり、血を見たいと願う者もあった」と述べ、選手権を争うライバルの中には更なる厳しい罰則を要求するチームがあったと明かした。
ペナルティに関して財務レギュレーションは、超過額が5%未満か以上かというラインで大雑把に線引しているのみで、超過額に対する具体的な罰則内容が定められているわけではなく、最終的にはFIAのさじ加減に委ねられる事になる。
より厳格なペナルティを望むチームは金銭ではなく、違反の責任の全てを競技的ペナルティで償わせるべきだったと考えているようだが、ベン・スレイエム会長は「バランスが取れたものだと考えている」と述べ、決定を支持した。
ただ、財務規定導入後初めての違反事例ということで見直すべき点があったとも認めた。
「私が言いたいのは、9月から10月に掛けて行ったこと(監査報告)をもっと早い時期に行うべきだということだ」とベン・スレイエム会長は語る。
「初年度の財務レギュレーションを取り締まるのは本当に大変な仕事だった」
「財務面であと3人、技術面であと3人を追加雇用することを話し合っている。技術や競技規定だけでなく、財務規制の監視・取り締まりも欠かせない」
「取り締まりのための人手や適切な人材がいなければ、こうした規制を設ける意味がなくなってしまう」
ベン・スレイエム会長はまた「オーストリアで行われたF1コミッションの会議(7月上旬)で既にその話をしていたのだが、苛立たしい事にミーティングが終わる頃には既にニュースになっていた」と述べ、監査報告以前の段階で一部チームに情報が流れていた事について不満をあらわにした。