理不尽な罰則?笑顔消えるダニエル・リカルド「こんなにキレた彼は今まで見たことない」とレッドブル

RB14のコックピットに座るダニエル・リカルドcopyright Red Bull Content Pool

グリッド上で最も笑顔が似合うダニエル・リカルドの怒りが止まらない。開幕オーストラリアGPの2回目のフリー走行、母国レースのリカルドは赤旗中の速度違反のために3グリッド降格処分を言い渡された。ジュニア時代からリカルドを知るチーム代表のクリスチャン・ホーナーは、こんなに怒ったリカルドは今まで見た事がないという。

「尋常でないストレスだよ」Sky F1のインタビューでホーナーはこう述べた。「スチュワードだって好んでペナルティを与えた訳じゃないはずだ。視聴者やファンにどう説明してよいか分からない。罰金を科すとか、手首にしっぺする方が適切だろうと皆考えたんじゃないかい?こんなに怒っている彼はこれまで見たことがないよ」

赤旗中の安全を強化するため、FIAは今年、レギュレーションをより厳格なものへと変更。リカルドはその最初の違反者となった。悪法もまた悪法…規約に定められている以上、状況がどうあれ今回の処罰はやむを得ない。だが、話が些かややこしいのは、赤旗の原因となったのが事故やアクシデント等の「安全に関わる状況」の発生ではなく、レース運営上のトラブルであった点にある。

FP2開始から40分が経過したところで、スタートライン上に敷設されたタイミングワイヤーが緩んでいる事が確認された。状況のチェックとワイヤーの除去のためにはマシンの走行を停止させる必要があった。アタックラップの最中にあったリカルドは赤旗と同時に減速したものの、ステアリングのダッシュボード表示を誤認し、規定値より僅かに速くセクターを通過。グリッド降格と合わせて、スーパーライセンスに係るペナルティポイント2点を加算された。

当のリカルドは、他により適切な処分方法があったのでは?と憤慨。規約自体に問題があるとの見解を示している。

「赤旗は把握していた。聴取ではルール違反を認めたけど、インシデントがあったわけではないし、きちんと減速もした。スピードは出してなかったし、危険な走行をしていたわけでもない。罰金ならまだしも、母国でフロントローのチャンスを奪われるなんて」

3グリッド降格は、メルセデス、フェラーリとの大接戦を控えるレッドブルに大きな打撃を与えた。3チームのタイムは接近、アップデートされたRB14の戦闘力は確実に増しており、メルボルンでの優勝争いが期待されていた。

リカルドは母国GPで優勝はおろか、ポールポジションすら獲得できていない。今回の処分を不運とするならば、昨年のホームレースも生憎の内容であった。予選クラッシュで10番手スタートのリカルドは、レコノサンスラップ中に電気系統のトラブルによりマシンストップ。レーススタート3周目にようやくコースインしたが29周目、突然のエンジンシャットダウンにより涙を飲んでいる。

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