ダニエル・リカルド、移籍の決断にホンダとの提携は無関係と主張「今見ている景色を変えたかった」
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ルノーへの移籍を決断した理由についてダニエル・リカルドは、自分の人生に変化が必要だと感じたためであり、レッドブルが来シーズンからホンダエンジンを搭載する事とは関係ないと主張した。
スパ・フランコルシャンで行われたベルギーGP木曜記者会見に出席したリカルドは「ホンダとのパートナーシップの可能性について疑問を持ったからでは?」と問われ以下のように返答。移籍の理由は自身の内的な感情によるものだと明かした。
「来シーズンの事については、不確定要素があまりにも多かったよ。それは未だにそうだし、一定のリスクでもある。明確になってるものは何もなかったんだ。ホンダがトップ争いをする上で何が出来るのかを証明しなきゃならない立場にあるのは間違いないけど、正直な所、外部的要因はさほど重要じゃなかったんだ。思うに、今見ている景色を変えたかったんだと思う」
「たぶんそれが一番の要因だったんだと思う。エンジンがどうであるとかお金がどうであるとか、そういった事は大した要素じゃなかったんだ」
「ひとつ言えるのは、今年のシーズン末でレッドブル・レーシングとは5年の付き合いだって事で、レッドブルという企業との付き合いは10年って事だ。これって本当に驚くほど素晴らしい事なんだけど、何か新しい事に挑戦する変化の時だって感じたんだ」
リカルドは2019年以降のシートに関して、再優先事項は「タイトル争いが可能なチーム」であると明言。チャンピオンシップ制覇の可能性があるフェラーリとメルセデスに焦点を絞って水面下での交渉を続けていたが、メルセデスは現行ラインナップの維持を発表。ルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスがシルバーアローのシートを維持する事となった。
今年大躍進を遂げたフェラーリは、セバスチャン・ベッテルは2020年までの契約を有しているが、グリッド最年長38歳のキミ・ライコネンは今季まで。一つシートに空きが出るものの、非力なザウバーで印象的な活躍を示している育成ドライバーのシャルル・ルクレールの存在は大きく、夏明けにライコネンと交代との噂まで飛び出したほど。跳ね馬のシートに空きがない事は明白であった。
事実上「タイトル争いが可能」と考えられるトップ2チームのシートが埋まった事で、その野望が打ち砕かれたリカルドは、新たな評価軸の設定と、残るオプションの評価を強いられる事となった。
リカルドに残されたのは、来年ホンダのワークスステータスを手に入れたレッドブルへの残留か、レッドブルとの契約を解消しチャンピオンシップ返り咲きを目指すルノーへの移籍の2択。リカルドは自身を育て上げてくれたチームを離れ、新しいチャレンジへと向かう事を決断した。
「たぶん、日々の過ごし方が画一的になってしまってたんだと思う。僕らは9時5時の仕事をしてるわけじゃないし、毎日同じオフィスに通勤してるわけでもないからね。何年も同じような生活をしてきてルーティンになってたのかもしれない。このスポーツへの思いが少しずつ失われてたんじゃないかって思うんだ。鈍るっていうか、麻痺って言うのかな」