公式ビデオサービス「F1 TV」、2021年開幕を前に大幅改良…ライブ視聴可能な「PRO」対象国も拡大
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F1はバーレーンで開催される2021年プレシーズンテスト開幕を4日後に控えた3月8日、公式の定額制ビデオプラットフォーム「F1 TV」のアップデートをローンチした。
アクセンチュアと共同開発された最新バージョンの「F1 TV」は、ユーザーエクスペリエンスの向上に向けてパフォーマンスと品質改善に重点が置かれた。これは2018年のサービス開始以来、最大のアップデートとなる。
画質が1080pまで、フレームレートが50fpsにまで引き上げられた事で、従来よりも高画質で視聴できるようになった他、ChromecastとAirPlay(iOS)に対応した事で、自宅テレビでコンテンツを楽しむ事が可能となった。
操作系(UI)にも改善が施され、オンボード映像を含む全てのチャンネルにおいて、再生、一時停止、巻き戻しなどの機能が追加された。また、ピットレーンチャンネル、データチャンネル、ドライバートラッカー、オンボードカメラへの画面切り替えも容易になったという。
「F1 TV」には、膨大な過去のアーカイブ映像に加えてレース終了後の録画配信が利用できる「F1 TV ACCESS」と、これに加えて公式テストセッションを含めた週末のイベント(フリー走行、予選、決勝)の全てをライブ視聴できる「F1 TV PRO」の2種類が用意されている。いずれも有料。
「F1 TV ACCESS」は全118の国と地域で利用する事ができるが、各国メディアとの放映権の関係上「F1 TV PRO」の対象国は85ヶ国に限られている。
2021年プレシーズンテストに向けて今回新たにブラジル、スロバキア、チェコの3ヶ国が「F1 TV PRO」のサービス対象に加えられたものの、DAZNとフジテレビが放映権を持つ日本は今年も対象外となった。
ただし、今季はDAZNがバーレーンテストの全セッションを日本語解説・実況付きで完全生配信する。更に2ヶ月無料キャンペーンも同時開催だ。フジテレビでのテレビ生放送はない。
日本で加入できるのが「F1 TV ACCESS」のみというのは残念だが、月額360円、年額2,500円で過去50年間の全グランプリを含む2000時間以上ものコレクションを視聴できる点は特筆すべきものがある。
独自コンテンツも充実しており、ドライバー視点から過去の名レースを振り返る「Inside Tracks」や、将来のF1デビューを目指す若手を追う「Chasing The Dream」、ミハエル・シューマッハやナイジェル・マンセル、マリオ・アンドレッティといったレジェンドドライバー、ゴードン・マレーやジョン・バーナードらF1デザイナーのドキュメンタリーも熱い。
現時点でアップデート版が利用できるのはf1tv.comに限られるが、シーズン前半の内にiOS、Android、Amazon Fireタブレット端末、Rokuでもアップグレードが展開される。またApple TV、Android TVデバイス、Amazon Fire TVでの配信に向けた開発作業が続けられており、今年後半にも発表される予定だ。