”レッドブル・ポルシェ”破談の理由は出資に非ず「DNA」の不一致
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実現間近と見られていたポルシェとの提携交渉が決裂した事についてレッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、両者の「DNA」が大きく異なり、長期戦略の面で相容れなかったためだと説明した。
既に2026年のF1参戦を正式発表したアウディとは異なりパワーユニットの独自開発を除外するポルシェは、英国ミルトンキーンズにパワートレイン部門を新設したばかりのレッドブルとの交渉に臨み、50%の株式取得を含む契約の締結を目指していた。
だがポルシェはF1イタリアGPの開幕当日、9月9日(金)に短い声明を発表し、レッドブルとの交渉が決裂した事を正式に認めた。
ポルシェによると、契約締結の前提条件は「エンジンだけでなくチームを含めた対等な立場でパートナーシップを組む事」であったものの、合意点を見いだせなかったため交渉を終了したと言う。
契約が暗礁に乗り上げたとの報道が飛び交った際、現場でトップを張るホーナーやヘルムート・マルコ、エイドリアン・ニューイら首脳陣が、ポルシェの出資によって自主性や独立性が損なわれる事を懸念しているとの見方が広がった。
だが、ポルシェによる破談発表を経てホーナーは英Autosportとのインタビューの中で、ポルシェとの間で出資に関する議論は「一度もなかった」とした上で、文化的、長期戦略面で相容れなかった事が原因だと説明した。
「ポルシェは素晴らしいブランドだが、そのDNAは(レッドブルとは)全く異なる」とホーナー。
「議論の過程で戦略的な不整合があることが明らかになった」
ホーナーはまた、2026年のF1新時代に向けてレッドブル・パワートレインズ(RBPT)事業を推し進めていく考えを改めて強調しつつも、「志を同じくするパートナー」が現れた場合は間違いなく提携を模索していくと主張した。
なおポルシェはレッドブルとの交渉破談を以て全てを諦めたわけではなく、2026年以降のF1が「魅力的である事に変わりはない」として、今後も参戦の可能性を探っていくとしている。
次なるターゲットはフォルクスワーゲン・グループの元幹部であるヨースト・カピートとアンドレアス・ザイドル率いるウィリアムズやマクラーレンとの噂があり、アストンマーチンの買収も囁かれている。