レッドブル、絶対王者ハミルトンの走りを礼賛「マックス・フェルスタッペンより優れている」
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レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、マックス・フェルスタッペンが持つ一発の速さは、F1で6度のチャンピオンに輝いたルイス・ハミルトンに勝ると主張する一方で、ドライバーとして”より優れている”のはハミルトンだとの考えを示した。
フェルスタッペンはホンダ製F1パワーユニットを初めて走らせた2019年のF1世界選手権で、オーストリア、ドイツ、ブラジルの3レースで勝利を挙げただけでなく、ハンガリーで自身初のポールポジションを獲得。キャリア最高位となるチャンピオンシップ3位でシーズンを締め括った。
左から田辺豊治テクニカル・ディレクター、山本雅史F1マネージングディレクター、フェルスタッペン、クリスチャン・ホーナー代表、2019年F1ブラジルGPにて
最強マシンを駆る34歳のイギリス人と、ポテンシャル溢れる22歳のオランダ人ドライバー。世代交代の息吹が徐々に強まる中、2019年はハミルトンとフェルスタッペンを対立構図とした議論が多く行われきた。ある者はフェルスタッペンの腕前を高く評価し、ある者はハミルトンの残酷なまでの強さに畏怖の念を抱いた。ではヘルムート・マルコは?
フェルスタッペンの才能を見出してF1へと引き上げた当人は、 独Motorsport Totalとのインタビューの中で「ルイス・ハミルトンはすでに6回に渡ってワールドチャンピオンを獲得しているが、マックス・フェルスタッペンは今や、F1で最速かつ非常に優れたドライバーだ」と語り、子飼いのドライバーを高く評価した。
だが冷静かつ公平なヘルムート・マルコは、フェルスタッペンの才能を持ち上げつつも、全方位的に高い能力を持ち、正確無比かつ状況に応じたベストなドライビングを一貫して発揮し続けているのは、フェルスタッペンではなくハミルトンだと言い切った。
ヘルムート・マルコは、フェルスタッペンを”ベストドライバー”として評価するかと問われると「いいや、純粋な速さという点ではマックスが上かもしれないが、完璧なパッケージングという点では、依然としてハミルトンが上回っている」と返した。
「彼は途方もなく速いだけでなく、経験も抱負だ。我々はその事実を何度も目の当たりにしてきた。彼はフリープラクティスでトップタイムを記録しなくとも、予選になると本領を発揮してベストラップをドライブするのだ」
「予選だけではない。レースも実に印象的だ。例えば、モナコのようなオーバーテイクが困難なサーキットではゆっくり走ってタイヤをセーブする。ないしは、アブダビで彼がファステストラップを記録した事を思い出して欲しい」
「マックスと比較して、彼は非常に経験豊富なドライバーであり、それが大きなアドバンテージになっている」
2018年のF1日本GPで、シャンパンファイトに興じるハミルトンとフェルスタッペン