2022年のF1スプリント予選実施の鍵はレッドブルとメルセデス、追加予算で対立…期限迫る
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F1は2022年シーズンにスプリント予選を倍増させたい考えだが、チームは追加予算の額を巡って対立している。最悪の場合、実施そのものが見送られる可能性もある。鍵を握るのはレッドブルとメルセデスだ。
今季のチャンピオンシップは2ヶ月後のバーレーンで開幕を迎える。まだ新車すら発表されていないが、舞台裏では既にチーム間の争いが勃発している。
昨年、鳴り物入りで導入された100kmの短距離レースはシルバーストン、モンツァ、インテルラゴスの3会場で実施された。
従来は3ラウンドのノックダウン方式による予選で決勝レースのスターティンググリッドを決してきたが、3イベントに限ってはスプリント予選によってグリッドを決した。更にトップ3フィニッシャーにはポイントが与えられた。
賛否両論あるものの、テレビ観戦者数とチケット販売の両面で成果があったとの事から、F1は23戦が予定されている2022年シーズンに6回のスプリント予選を計画している。候補にはイモラ、ザンドフォールト、レッドブルリンク、ジル・ビルヌーブ、バーレーン、インテルラゴスの名が取り沙汰されている。
しかしながら実現に向けては解決すべき問題がある。最大の障害はスプリント予選の実施に際して追加される予算の金額だ。
グリッドを決めるための取り組みとは言えスプリント予選がレースである事に変わりはなく、壁に激突したり、ホイール・トゥ・ホイールで接触したりといったリスクがある。修復のために発生する費用はチーム運営やマシン開発に影響を及ぼしかねない。
今季は昨年よりも少ない1億4000万ドル(約159億円1,500万円)の予算上限が設定された。追加予算は200~500万ドルが議論されている。3回のスプリント予選が実施された昨年が25万ドルであった事を考えれば大幅な増額だ。
伝えられるところによると昨季タイトル争いを演じたメルセデスとレッドブルは500万ドルを要求していると言う。コンストラクター3位のフェラーリは両者よりも少ない金額を受け入れる可能性があるとされるが、いずれにせよ大規模チームはスプリント予選増加の対価としてより高い予算を要求している。
対して小規模チームはもとより上限以下の予算しかないためビック3とは対照的だ。マクラーレンのザク・ブラウンCEOはトップチームの”ロビー活動”を「自分たちの競争上の優位性を守るための浅はかな試み」と批判している。
要するブラウンは、レッドブルやメルセデスら潤沢な資金を持つチームが追加予算をマシン開発に転用するつもりだと訴えているわけだ。
国際自動車連盟(FIA)とF1、そしてチームによる議論の結末がどうなるかは不透明だが期限は迫っている。2月のバーレーンテスト前にF1コミッションでの電子投票が予定されており、この結果如何によってスプリント予選が実施されるか否かが決まる事になる。
基本的には小規模チームが数の優位性を持つため、より多くの追加予算を望むレッドブルやメルセデスの譲歩が必要になるものと考えられる。