レーシングブルズ、エクソンモービルと提携─2026年F1燃料改革へ布石

レーシング・ブルズのロゴとエクソンモービルのロゴ、2025年3月13日Courtesy Of Racing Bulls

レーシング・ブルズは、2025年のF1開幕戦オーストラリアGPの初日を翌日に控えた3月13日、エクソンモービルとの新たな燃料および潤滑油パートナーシップを発表した。

これにより、チームのマシンや、角田裕毅とアイザック・ハジャーのレーシングスーツに「モービル」「エッソ」「モービル1」のロゴが掲出されるだけでなく、エクソンモービルの専門技術を活用した燃料および潤滑油の分析サポートも受けることとなる。

2025年シーズンでは、エクソンモービルの最先端トラックサイド・ラボ(サーキット常駐ラボ)と専門技術者が全レースに帯同し、燃料や潤滑油の分析を実施。FIAの規定遵守を確実にしつつ、重要なコンポーネントの劣化兆候を早期に検出できるようサポートする。

エクソンモービルは2017年にシニアチームのレッドブル・レーシングと提携。以来、チームのエンジンサプライヤーであるホンダと緊密に協力しながら、レース用燃料「エッソ・シナジー」及び潤滑油「モービル1」の改良を続けてきた。

シニアチームとの連携強化と2026年への布石

エクソンモービルは2017年からレッドブル・レーシングと提携し、チームのエンジンサプライヤーであるホンダと緊密に協力しながら、レース用燃料「エッソ・シナジー」および潤滑油「モービル1」の改良を進めてきた。

この提携の背景には、2026年に導入されるF1の新レギュレーションへの対応という側面もある。2026年からは100%持続可能な燃料の使用が義務付けられ、燃料技術の進化がチームの競争力を大きく左右することになる。

メキーズ:競争力維持のために不可欠な提携

レーシングブルズのチーム代表ローラン・メキーズは、この提携を「チームにとって素晴らしいニュース」とし、「F1はますます技術競争が激しくなっており、競争力を維持するためには、このような戦略的パートナーシップが不可欠だ」とコメントした。

また、レッドブル・テクノロジーのオリー・ヒューズCMO(最高マーケティング責任者)は、エクソンモービルが提供する「世界最高水準の燃料と潤滑油は、我々が数多くの勝利とタイトルを獲得する要因の一つ」になってきたとして、姉妹チームとの新たなパートナーシップを「卓越したコラボレーションの新たなステップ」と評した。

さらに、レーシング・ブルズのピーター・バイエルCEOは「今回の提携は、革新的な研究や新技術の追求において、両社が共に歩んでいることを示している。F1はモータースポーツの頂点であり、技術革新の場でもある。我々はサーキット内外で新たな成果を共に達成できることを楽しみにしている。Mobilをチームの一員として迎えることができ、心から歓迎する」とコメントした。

エクソンモービル「限界を押し広げる」

エクソンモービルのグローバル・スポンサーマネージャーであるケイティ・ハウエルも、新たな協力体制について次のように語った。

「VCARBの燃料パートナーとなることで、モータースポーツにおけるパフォーマンスの限界に挑み続けるという我々のコミットメントをさらに強固なものにできる。我々はすでにレッドブル・レーシングとの素晴らしい関係を築いており、今回の新たなパートナーシップにより、サーキット上での協力体制をさらに強化していく」

2026年の持続可能燃料の導入に向け、さらなる一歩を踏み出したレーシングブルズ。この新たな技術提携は、同チームの競争力向上にどのような影響を与えるのか、はたまた与えないのか。今シーズンのパフォーマンスが注目される。

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