F1王者ミハエル・シューマッハの「生成AIインタビュー」で独出版社に賠償命令
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独Übermedienの報道によるとミハエル・シューマッハの”生成AIインタビュー”を巡る訴訟でミュンヘン州労働裁判所は、週刊誌「Die Aktuelle」の出版元であるフンケ・メディアグループ社に対し、20万ユーロ(約3,400万円)の賠償を命じた。
同誌は2023年4月15日発行号の表紙にシューマッハの顔写真を大々的にあしらい、2013年12月のスキー事故以来「初となるインタビュー」記事を掲載した。だがこれは人工知能(AI)を使って作成された架空の内容だった。
これを受け、同出版社のマネージング・ディレクターを務めるビアンカ・ポールマンは「今回の記事は悪趣味かつ誤解を招くもので、掲載されるべきものではなかった」とシューマッハの家族に謝罪。編集長のアンネ・ホフマンを解雇した。
しかしながらシューマッハ家はこの対応に満足せず、法的措置を採った。同出版社が2014年から2017年にかけてシューマッハ家から訴えられた数は30件を優に超えるとされる。
頭部を強打した2013年12月のスキー事故を経てシューマッハは昏睡状態に置かれ、2014年9月にスイス・ジュネーブ近郊の自宅に帰宅するも以降、インタビューはおろか公の場に一度も姿を見せていない。
なおホフマン元編集長は、自身には記事を法的に確認することが求められていただけであり、出版社のコンプライアンス規則に則っていた等として不当解雇を訴え、今年2月にミュンヘン労働裁判所から解雇無効の判決を勝ち取った。