角田裕毅、イモラでの”酷いクラッシュ”は「良い教訓」も アルガルベは「過去2戦と状況が違う」

イモラ・サーキットのパドックを歩くアルファタウリ・ホンダの角田裕毅、2021年4月17日F1エミリア・ロマーニャGPにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

アルファタウリ・ホンダの角田裕毅は、イモラでの”酷いクラッシュ”を教訓として学びを深めたと言うが、今週末に開幕を迎える第3戦ポルトガルGPの地、アルガルベ・サーキットは未体験のコースであり、過去2戦とは状況が異なるとして慎重だ。

前戦エミリア・ロマーニャGP予選では不用意に「攻め過ぎて」しまいQ1でバリアに激突。マシンは大破し最後尾スタートを余儀なくされ、レースではスピンを喫して順位を落とし12位とポイントが得られず、度重なるトラックリミットによって黒白旗と5秒ペナルティだけでなく1点のペナルティポイントが科されるなど精彩を欠いた。

失意の週末から1週間。角田裕毅はポルトガルGPに向けて「イモラでは多くの事を学びました」と、まずは前戦を振り返った。

「上手くいったバーレーンとは正反対でした。イモラに向けては僕もチームも本当に高い期待を抱いていました。フリー走行ではすべてが順調でしたが予選で大きなミスをしてしまい、レースは非常に厳しいものになってしまいました。この2年間、酷いクラッシュをした事がなかったので良い教訓になりました」

「ウエットコンディションでF1マシンをドライブしたのは今回が初めてで、インターミディエイトタイヤの使い方がとても難しく、徐々にスピードを上げていかなければなりませんでした」

「 ですが、僕らのマシンは最初の2つのコースで競争力を発揮しており、トップ6に入れるだけの実力を秘めています」

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アルガルベ・サーキットを走行するF1マシン、2020年F1ポルトガルGPにて

前戦イモラはデビューに向けて幾度となくマイレージを重ねてきたコースであり、また、初戦バーレーンはプレシーズンテストの開催地という事で、過去2戦はいずれも事前に走行経験を積んでいたが、今週末に控えるアルガルベはそうではない。

アルガルベ・サーキットは1周4684m、全15コーナーを有するテクニカルなコースで、ダウンヒルブレーキングや、高低差が生み出すブラインド、高速バンクコーナーなど、ドライバーの腕と度胸、そして経験が試される。

角田裕毅は「ポルトガルは僕にとって初めての場所です。シミュレーターで何度かポルティマオを走っていますし、昨年のグランプリも観戦していますが、実際に何が起こるか分かりません」と語る。

「サーキットに関しては、ターン1やオフキャンバーのターン13など、幾つか面白いコーナーがあり、アップダウンのあるセクションやブラインドコーナーも多い美しいコースだと思います」

「トラックリミットが厄介な課題になるのではと思っていますが、僕としては週末を通して徐々にペースを上げていきたいと思っています」

「バーレーンとイモラは週末を前にかなり走り込んだ場所でしたので、今回のポルトガルは僕にとって過去の2戦とは全く異なる状況になると思います。できるだけ早くコースに慣れるために、フリー走行を通して大量に走り込んで予選に向けて万全の準備を整えていきたいと思います」

今週末は今季初となるダブルヘッダーの初戦であり翌週末にはスペインGPが控える。伝統のカタロニア・サーキットはジュニアカテゴリでも馴染み深い場所であり、角田裕毅はFP1の最初からスピードを積み上げていけるはずと楽観視している。

「ポルトガルの次はスペインですが、昨年のF2バルセロナでは2回とも4位でフィニッシュする事ができました」と角田裕毅。

「ここは予選でもタイヤマネジメントが重要になるコースです。セクター1でタイヤを使い果たしてセクター3で良いタイムが刻めない、という事は避けなければなりません」

「スペインはお気に入りのコースなので、F1マシンでの走行を楽しみにしています。よく知ったコースなので、FP1から速く走れると思います」

角田裕毅の真価が問われるF1ポルトガルGPは、日本時間4月30日(金)19時30分からのフリー走行1で幕を開ける。

F1ポルトガルGP特集

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