ルイス・ハミルトン”妨害”メール「犯罪行為なし」英警察がメルセデスに通知

ルイス・ハミルトン(メルセデス)、2024年F1スペインGPCourtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

ルイス・ハミルトンがメルセデスから「組織的に妨害」されているとする匿名のメール告発についてイギリスのノーサンプトンシャー州警察は捜査を経て、犯罪行為は認められないとメルセデスF1チームに通知した。

英BBCによると警察のスポークスパーソンは「ノーサンプトンシャー警察は6月12日、メルセデスAMG F1チーム内で回覧されたメールに関する報告を受けた。犯罪行為は認められなかったが、チームが今後受け取る可能性のあるメールに関してアドバイスが与えられた」と語った。

警察はメルセデスに対し、今後同様の行為が確認された場合、再度報告するよう助言したものと思われる。報道によると英国ブラックリーのチームは今回の騒動を受け、独自に調査員を雇ったとされる。

メルセデスが「最終的にはルイスの命を脅かす可能性のある危険な道」を歩んでいるとするメールは、最終ラップを前にハミルトンが僚友ジョージ・ラッセルに追い抜かれたカナダGPの翌日、6月10日に送信された。送信者を特定すべくメルセデスは警察に通報した。

今シーズン終了後にフェラーリに移籍する7度のF1ワールドチャンピオンは現在、予選成績でラッセルに2勝8敗と大きく負け越しており、メルセデスの社員であると示唆するメールの送信者は、チームがハミルトンのクルマに「妨害工作」を行っていると主張した。

メルセデスのトト・ウォルフ代表はスペインで「チームメンバーから送信されたものではない」としたうえで、メールの送信者を「コンピュータの後ろに隠れて」他者を中傷する「腰抜け」の「陰謀論者」と呼び、「精神科医に見てもらえ」と非難するとともに、メルセデスがハミルトンを妨害することの「非合理性」を説いた。

ハミルトンの来季の上司となるフェラーリのフレデリック・バスール代表は「昼夜を問わず働く1500人の従業員を抱え、アップグレードをもたらそうと全力を尽くしている会社が、自分達のクルマの1台を壊したり、ダメージを与えたりするなんて、どうして想像できるだろうか? 全く非合理的だし、パドックにいる誰一人としてこんなことはしない」と一蹴した。

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