ピアストリ、F1にとって「恥ずべきこと」と非難…オーストリアGP予選3位抹消のトラックリミットを巡り
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これ以上ない最高の形でターン6を攻略したにも関わらず、そのラップタイムがトラックリミットを理由に抹消されたことはF1にとって「恥ずべきことだ」だとして、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)が非難の声を上げた。
ピアストリはQ3の最終ラップで暫定3番手を記録したものの、ターン6のトラックリミットによりラップが抹消され7番手に後退。ジョージ・ラッセル(メルセデス)が代わってトップ3に入った。
ピアストリは自身がトラックリミットを犯したとは一切、感じていなかった。インラップを経てピットレーンに入った際、レースエンジニアのトム・スタラードから抹消の事実を知らされたピアストリは「どういうこと? どこで抹消されたの?」と返した。
トラックリミット違反は、四輪すべてがコースの外、つまりコースの端にある白線より外側に飛び出した場合に科されるもので、昨年のオーストリアGPではトラックリミットの疑いがあると報告された件数が「1,200件以上」に及び、レース中に全てを処理できない事態に陥った。
そこで本大会に向けてはターン9・10の外側に2.5m幅のグラベルが新たに敷設され、ピアストリが違反を犯したターン6を含む3箇所では、白線とグラベル間の距離が1.8mに短縮された。F1マシンの車幅は2mだが、ピアストリがターン6でグラベルにホイールを落とすことはなかった。
ターン6の外側には元より広大なグラベルが広がっている。であればこそ、また本大会に向けてのコース改修の方向性を踏まえれば、クルマが白線を僅かに越えていたかどうかではなく、グラベルに飛び出すことで自然と罰せられる状況そのものを、トラックリミットに対するペナルティとして扱うべきだったとピアストリは考えているようだ。
予選後のインタビューでピアストリは「僕に言わせれば、これは恥ずかしいことだ。トラックリミット対策のために色んなことをして、グラベルを敷き詰めているというのに…僕はコースを外れてさえいないのに抹消されてしまった。恐らくあれはターン6における僕のベストラップだった」と語った。
また、一部のエリアに集中的に多額を投じたとしても、コース全体として見れば解決に至っていないと感じているようで、「どうして何十万ドル、いや数百万ドルをかけて最後の2つのコーナーを変更しようとしたのか分からない。まだコース外を走れるコーナーがあるというのに」とも語った。
「恥ずかしい」という言葉が何を意味しているのかを詳しく説明するよう求められたピアストリは「たぶん、あれは僕にとってベストなターン6だった。僕はコースギリギリまで攻めた。みんなが見たいと思っているのはそういう走りだと思う」と語った。
「繰り返しになるけど、こうした問題の解決のために膨大な努力が費やされてきた。僕がやったように、コース上に留まる場合、つまりグラベルにホイールを落としていない場合に、このコーナーでトラックリミットになる理由が分からない」
「これを経験したのが僕だけだから、今こうして声を大にして話をしているのかもしれないけど、限界までプッシュして、もうあと1センチでもやり過ぎるとグラベルに落ちて全てが台無しになってしまうようなラップが抹消されるのは恥ずべきことだと思う」