ペンスキー、インディ500に向け主要メンバー停職…不正調査を経てシンドリックを含む4名処分

チーム・ペンスキー社長のティム・シンドリックとジョセフ・ニューガーデン、2023年6月3日インディカー・シリーズ デトロイトGPCourtesy Of Penske Entertainment

3台体制でインディカー・シリーズに参戦する強豪チーム・ペンスキーは2024年5月7日(火)、開幕セント・ピーターズバーグでの不正行為に伴う内部調査を経て、社長のティム・シンドリックを含む4名の主要メンバーを2レースの職務停職処分とした事を明らかにした。

処分を受けたのは、昨年の第107回インディ500を制したジョセフ・ニューガーデンのレース戦略も担当する代表のシンドリックを含む以下の4名で、インディアナポリス・モーター・スピードウェイ(IMS)のロードコースで行われる次戦インディアナポリスGPと第108回インディ500を欠場する。

  • ティム・シンドリック
  • ロン・ルゼウスキー:マネージングディレクター
  • ルーク・メイソン:ニューガーデンのレースエンジニア
  • ロビー・アトキンソン:シニアデータエンジニア

Courtesy Of Penske Entertainment

会見に出席するジョセフ・ニューガーデン(チーム・ペンスキー)、2024年4月26日インディカー・シリーズ第3戦バーバー・モータースポーツ・パーク

3月10日の開幕戦ではニューガーデン(1位)とスコット・マクラフリン(3位)が、ルールに反して再スタート時に「プッシュ・トゥ・パス」システムを使用していたことが第2戦を前に発覚。両車は失格処分となり、4位のウィル・パワーは違反を犯さなかったものの、10点のポイント減額を科せられた。

シンドリックによるとこの問題は、レースカーのソフトウェアにエンジンテスト用のコードが誤って残っていたため、再スタート時に「プッシュ・トゥ・パス」を使用することが可能な状態になっていた事が一因だという。

全面的かつ包括的な内部調査を経てペンスキーは、「プロセスと内部コミュニケーションに重大な欠陥があった 」と説明した。

3時間近くに渡って行われる世界三大レースの一つ、インディ500では、クルマのセットアップとレースを通しての調整、複数回以上に渡るピットストップでの迅速な作業、そして最適なレース戦略の全てが求められる。

エンジニアのメイソンとストラテジストのシンドリックを欠くニューガーデンにとって、連覇の道はかなり険しいものとなりそうだ。

第108回インディ500は5月14日のプラクティスで開幕し、26日に決勝レースが行われる。佐藤琢磨は古巣レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング(RLL)と共に3度目の制覇を目指す。

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了