言い訳するのは「もうウンザリだ…」とノリス、3位表彰台も”3つミス”で母国勝利のチャンス逃して意気消沈

3位フィニッシュを経て意気消沈した様子を見せるランド・ノリス(マクラーレン)、2024年7月7日(日) F1イギリスGP(シルバーストーン・サーキット)Courtesy Of McLaren

マクラーレンと自身の失態により母国F1イギリスGPでの優勝のチャンスを逃したランド・ノリスは、3位表彰台に上がったにも関わらず完全に気落ちした様子を見せ、言い訳するのに「ウンザリ」していると漏らした。

ダウンフォースを高めに設定したことが功を奏し、ノリスは4番グリッドながらも雨の到来と共に躍動。メルセデス勢とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を交わしてトップに立つと、19周に渡ってレースをリードした。

ところがタイヤ選択を含めた最終ピットストップでの幾つかのミスが重なり、コースに戻るとルイス・ハミルトン(メルセデス)にリードを奪われ、さらにはフェルスタッペンにも追い抜きを許した。

5月のマイアミGPでの初勝利以来、その後の6レースのうち5レースで勝利のチャンスがあったものの、ノリスはその競争力をトップチェッカーに繋げることができずにいる。

ノリスは母国観衆の前で3位表彰台に立てたことは重々理解しているとしつつ「もっと上手くやれたはずだ、とか、こうすればよかった、ああすればよかった、等と言うのはもうウンザリだ」と語った。

「(ミスの改善に)時間を掛けたくはない。今やるべきだし、すぐにでも勝てるはずだ。今よりも良い判断を下さなきゃならない」

「ただただ、ガッカリだ。勝利、F1での勝利を手にできるはずだったわけで、それ以下の結果で妥協するつもりはない」

ドライバーズランキングにおける首位フェルスタッペンと2位ノリスとの差は84ポイントに広がった。

「僕らは今日勝つべきだったのか? そうだ。勝ったか? いや勝てなかった。だから3位でも満足するつもりはない。マックスに対してさらにポイントを失ったんだ。満足なんてできない」とノリスは続ける。

「良い点はたくさんあった。前向きな面もあった。それでも僕は最終的な結果に満足するつもりはない」

運命の分かれ道はインターミディエイトからスリックタイヤへの履き替えだった。

最終的に優勝を果たしたハミルトンは38周目の終わりにソフトタイヤに交換したが、ノリスはもう1周、使い古したインターで走り続けることを選んだ。結果、ハミルトンはこの1周のアドバンテージを最大限に引き出しノリスを逆転した。

ノリスはさらに、タイヤ交換の際にピットボックスの規定位置に止まり切れず、ハミルトンに対して約1.5秒をロスした。ただ、一番大きく響いたのはコンパウンドの選択だった。

同じタイミングでピットインしたフェルスタッペンはハードタイヤを装着。デグラデーションを気にすることなく最終スティントを通してプッシュし続け、ソフトを履くノリスを残り5周で交わして2番手にポジションを上げた。

最終スティントでミディアムタイヤを装着したオスカー・ピアストリは、チームメイトのノリスより概ね1秒近い速いペースを刻んだ。

「タイヤ選択とピットインのタイミングがまずかった。1周遅かったのは完全に僕のせいだ。これはドライバーの感覚とノウハウの問題で、ルイスはこの点、僕より良い仕事をした」とノリスは語る。

「ソフトに替えたのはチームの判断だ。僕とチームとの間で下した判断だ。良い点もたくさんあったけど、またしても勝利を逃してしまい、本当にガッカリだ」

ノリスがペースを落とした一方、ハミルトンはノリスと同じソフトタイヤでフェルスタッペンを凌いでみせた。

「ルイスはそれで勝ったけど、僕らはソフトタイヤが弱い。クルマのバランスとタイヤを機能させる点でね」とノリスは説明する。

「僕らが常にその手のタイヤに弱い一方、メルセデスは一貫して力強いパフォーマンスを発揮してきた。だから彼らに勝つチャンスはほとんどなかった」

「メルセデスの前に出ることを期待していたけど、そうはならなかった。ただ、仮に前に出られたとしても勝てなかったと思う。僕らは遅すぎた」


2024年F1第12戦イギリスGPでは、2番グリッドからスタートしたルイス・ハミルトン(メルセデス)が3年ぶりのトップチェッカーを受け通算104勝目を上げた。2位はマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位表彰台にはランド・ノリス(マクラーレン)が続いた。

ハンガロリンクを舞台とする次戦ハンガリーGPは7月19日のフリー走行1で幕を開ける。

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