メルセデス、母国ドイツGPで危険信号…気温40度予報でオーバーヒートに警戒感
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メルセデスAMGは、ワークス参戦200戦目の節目となる母国F1ドイツGPで、再び悪夢に直面する事になるかもしれない。週末のホッケンハイムは気温が40度近くにまで上昇する可能性があり、チーム代表のトト・ウォルフは警戒感を強めている。
「コース外でさまざまなイベントが控えているとはいえ、我々が最も集中しているのはコース上でのパフォーマンスだ」とトト・ウォルフ代表。「天気予報によると気温が高くなる事が予想されている。同様の気候となったオーストリアGPは非常に厳しいレースになっただけに、用心する必要がある」
今シーズンのメルセデスのアキレス腱は”暑さ”にある。シルバーアローは今季、開幕8連勝の怒涛の強さを見せつけたが、レッドブル・リンクで開催されたオーストリアGPでは暑さのためにオーバーヒートを抱え、エンジン出力を下げてのレースを強いられた。今年初の敗北だった。
ダウンフォースを極限まで絞り出すためにタイトな空力パッケージングを追求した結果、今季型W10は冷却性能が不足傾向にある。オーストリアではラジエーター開口部を最大限にまで広げたものの、オーバーヒートを収束させる事はできなかった。
戦いの舞台となるホッケンハイムリンクは、全長4,574mのショートコース。F1マシンは70秒足らずでこれを駆け抜けるため、僅かな差がリザルトの大きな違いとなって表れる。トト・ウォルフ代表は、ホームレースが熾烈な争いになると予想する。
「シュピールベルクと同じく、ホッケンハイムもまた、相対的に全長が短いコースであるため、チーム間のタイム差が接近する事になるだろう。出来る限り良い成績を残すために、全力で作業に取り組むつもりだ」
万が一、気温40度の予報が的中すれば、シルバーアローが地元観衆の前で表彰台に上がるのは簡単ではないだろう。だが、王者足るもの手をこまねいているわけではない。公式の発表はないものの、バルテリ・ボッタスによれば、この問題を解決するためにホッケンハイムでアップデートが投入される可能性がある。
「弱点が明確になったり、こうすればより良い結果が得られると判断されると、大抵の場合、僕らのチームは迅速に対処しようとする。これはメルセデスが持つ強みの1つだ」とボッタス。
「次に暑いレースが予想される時には、冷却効率のアップデートと改善が行われる事になるだろう。願わくば、そのアップデートによって十分な成果が出て欲しいが、やるべき事はまだ山積みだ」
メルセデスはホッケンハイムで開催された近年のドイツGPで3連勝を記録しており、ルイス・ハミルトンは2016年と2018年の勝利に続いてドイツGPでの3連覇を狙っている。