”F2のように遅い”アロンソを引き合いにF1モナコのレイアウト変更を訴えるメルセデス
Published: Updated:
メルセデスのトト・ウォルフ代表はF1モナコGPの終盤に”アロンソ・トレイン”が発生した事を引き合いに出し、モンテカルロ市街地コースのレイアウト変更の必要性を指摘した。
モナコでのルイス・ハミルトンのレースはアルピーヌ勢に翻弄される事となった。エステバン・オコンとの接触によってフロントウイングは壊れ、更には超低速走行を繰り返すフェルナンド・アロンソに行く手を阻まれた。
7番手を走行していたアロンソは35周目に一気にペースを落とすと、その後は上位勢に対して1周あたり3.5秒近く遅いペースで周回を続けた。ところが残り15周となったタイミングで突如、上位勢よりも2秒近く速いペースを刻み、前方とのギャップを詰めていった。
結局、それほどまでにペースを落としても後続の8番手、ハミルトンは一度もアロンソに仕掛ける事ができず苛立ちを募らせた。モナコでのオーバーテイクの難しさが改めて証明された格好だ。
このスロー走行についてアロンソはレース後に、残りの周回数がタイヤの想定ライフより短かったためマネジメントしていただけだと説明し、後続のハミルトンを抑えるのは「楽勝だった」と冗談を飛ばした。
コース上で白熱した接近戦が見られずモナコでのレースが退屈だとする意見は決して新しいものでも珍しいものではない。
ウォルフはレースを終えてアロンソのペースを引き合いに出し「我々が検討すべき対象はモナコだと思う」と述べ、将来に向けてオーバーテイク性を向上させるために何らかの対策が必要だと指摘した。
「5秒近くも減速してなお、後続を押し留める事ができるのであれば、ここでのレースの名誉が傷つく事になる」
「モナコではトラックポジションが全てであるという事が改めて明らかになった。つまり5秒というのはフォーミュラ2みたいなものだと言う事だ」
「ここは本当に壮観で素晴らしい会場だが、5秒遅いループを終わらせ、それができないようにするために、レイアウトの面で何らかの方法を検討する必要があると思う」
アロンソが途中でペースを戻したのは、後方9番手を走るチームメイトのエステバン・オコンが5秒ペナルティを受ける事が決まっていたため、チームからタイムアップを指示されたからだった。
最終的にオコンは後続に対して十分なギャップを築くことができず、ペナルティによってポイント圏外に弾き出されたが、その事についてアロンソは、ハミルトンがオコンのプッシュを妨害したためだと説明した。
「エステバンが5秒のギャップを作らなきゃならないからって言われて再びプッシュしたんだけど、ハミルトンはプッシュしたがらなかった。彼がエステバンを後方に抑え込んだんだ。残念だよ」