迫るグリッド降格ペナ…メルセデス、伊GPでのルイス・ハミルトンへの4基目投入はある?

2021年9月10日のF1イタリアGP予選を終えてメルセデスW12から降りるルイス・ハミルトンCourtesy Of Daimler AG

4基目のエンジン投入によるグリッド降格ペナルティが懸念されているのはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)だけではない。メルセデスはモンツァでルイス・ハミルトンの車両に更なるパワーユニット(PU)を投入するかどうかについて頭を悩ませている。

メルセデスのトト・ウォルフ代表は週末を前に、イタリアGPでグリッドペナルティを受けるか否かについて熟慮している事を明かしていた。そして決断は下された。バルテリ・ボッタスは初日予選を前にPUコンポーネントを一新。日曜のレースを最後尾からスタートする。

チャンピオンシップ争いに影響するという点で、ボッタスよりハミルトンの動向が注目される。ハミルトンはザントフォールトでの前戦オランダGPの2回目のフリー走行で油圧を失うトラブルに見舞われた。搭載していたエンジンは最もマイレージが進んだ個体であったが、計画より前に寿命を終える事になった。

トト・ウォルフはモンツァでのイベントを前に「誰もが皆、パワーユニットで苦労していると思う」と語っていた。スプリント予選の導入でパワーユニットはより大きな負荷とマイレージを重ねている。

「信頼性だけではない。パワーユニットの機能具合、劣化の程度や何かについてもね。今週末に向けて検討している事があるのは確かだが、まだ決断は下していない」

ポイントリーダーのフェルスタッペンは夏休み前のシルバーストンでの事故によって1基を失った。ホンダは当初、再利用可能との判断を下したが、ハンガリーでのフリー走行を経てクラックが発見された。

残り9レースを安全マージンを以て乗り切るためには追加のエンジンが求められる。何処で投入するか。無論オーバーテイクが容易で巻き返しやすいコースが理想だが、スプリント予選が行われる週末で消化するのも策だ。

スプリント予選フォーマットが採用されるウィークエンドでのグリッド降格ペナルティは日曜の本レースに適用される。つまり年間上限を超えるエンジンを投入したとしても、3位以内にポイントが与えられるスプリント予選のグリッドに影響はない。

フェルスタッペンによるとモンツァでの交換の可能性は低いとの事だが、レッドブル・ホンダによるメルセデスへの駆け引きかもしれない。ハミルトンはどうか? 可能性は徐々に低くなってきている。

仮にスプリント予選後に交換を行えば、ぶっつけ本番で決勝レースに臨まなくてはならなくなる。機能確認に使える周回はレコノサンスラップのみで、かなりリスキーだ。

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