メルセデス、2021年型F1パワーユニットに問題発生…開幕バーレーンGPまでの解決目指す

イギリス・ブリックスワースにあるメルセデスF1のパワーユニット開発拠点「メルセデスAMGハイパフォーマンス・パワートレイン」Courtesy Of Daimler AG

メルセデスAMGのF1パワーユニット開発部門、ハイパフォーマンス・パワートレインズのマネージング・ディレクターを務めるハイウェル・トーマスは、本拠地ブリックスワースで開発中の2021年型F1パワーユニットに幾つかの問題が発生してる事を明らかにした。

今季のレギュレーションはエンジンアップグレードに制限を設けている。許されるのは2020年末から2021年末までの間の1回のみで、各メーカーは新シーズンに向けてパワーユニットから最大限のパフォーマンスを絞り出すべく開発を続けている。


メルセデスAMGの歴代F1パワーユニット / © Daimler AG

ハイウェル・トーマスは既に幾つかのエンジンは完成しており、耐久性検証のためにダイナモを稼働させているとした反面、開発中のパワーユニットに「幾つか問題が発生してる」と明かした。

その一方で問題解決に向けた道筋は立っており、3月28日のシーズン開幕戦、バーレーンGPまでに問題を克服できるはずだと自信を示した。

メルセデスは昨年の2月にもパワーユニットに問題が生じているとしていたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの影響でシーズン開幕が大きくずれ込んだ事が一役買ったか、あるいは得意のブラフだったのかは定かでないものの、結果としては7年連続ダブルタイトルの圧勝でシーズンを締め括った。

ただし今回の問題は昨年のものとはやや性質が異なるようだ。

ハイウェル・トーマスによると、レギュレーション変更によってエンジンのダイナモテストが制限された事、そして史上最多となる23戦が計画されている一方でアップグレードのチャンスが1度しかないという未経験の状況が厳しい課題を突き付けているのだという。

ハイウェル・トーマスは「より多くのレースが開催される一方で(1年を通して)使用可能なパワーユニットの数は変わらず、それ故に個々のパワーユニットをより多くのレースで走らせなければならないため、信頼性を更に重視する必要がある」と述べ、「また、昨年は12月中旬までレースがあったため、そもそも冬のオフシーズンがかなり短いという事実もある。つまり、どちらかと言えば、やるべき事が多く時間が足りていないのだ」と付け加えた。

メルセデスは今年、マノーがカスタマーチームに名を連ねていた2016年以来初めて、4チーム供給体制を取る。マクラーレンが新たに加わったためだ。この点についてハイウェル・トーマスは、4チーム体制による影響はないと断じた。

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